劇場公開日 2009年8月22日

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ノーボーイズ,ノークライ : インタビュー

2009年8月18日更新

妻夫木聡&ハ・ジョンウ インタビュー

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家族に縛られる亨と、家族の温もりを知らないヒョング。2人は困難な状況下で徐々に絆を深めていく
家族に縛られる亨と、家族の温もりを知らないヒョング。2人は困難な状況下で徐々に絆を深めていく
ハ・ジョンウも絶賛する 妻夫木の韓国語での演技に注目
ハ・ジョンウも絶賛する 妻夫木の韓国語での演技に注目

――劇中のほとんどのセリフが韓国語ですが、妻夫木さんは韓国語をどうやって習得したのですか?

妻夫木「ずっと韓国語指導の先生と過ごして、細かいニュアンスもひとつひとつ習いました。実際には喋ることはできないので、セリフを覚えていく中でハ・ジョンウ氏のセリフも覚えるようにしました。そうやって相手の韓国語のセリフを自分の感情として一回汲み取った上で、また吐き出さなければいけないと思ったんです。なるべく多くを習得できるように、セリフと関係ない言葉でも覚えるようにしました。イントネーションが難しいというのもありましたが、まずは韓国語のノリが雰囲気で理解しようと思い、とにかく韓国の方が喋っているのを意識して聞くようにしていましたね」

――ハ・ジョンウさんから見て、妻夫木さんの韓国語はどうでしたか?

ハ「普通は外国語を勉強するだけでもとても大変なのに、今回彼は韓国語を理解しているからこそ出てくる感情を自然に表現していました。韓国語でセリフを話し、韓国語のリアクションをもらうのはとても難しかったはずですが、まったく違和感はなかったし、韓国語を100%理解しているからこその演技だったと思います。変だと思ったことは一度もありませんでした」

妻夫木「カムサハムニダ(笑)!」

――PUFFYの「アジアの純真」をカラオケで歌うシーンはとても息が合っていて、しかも一発OKだったそうですが、事前にどんな練習をしたのですか?

ノリノリで「アジアの純真」を熱唱!
ノリノリで「アジアの純真」を熱唱!

妻夫木「とりあえずハ・ジョンウ氏は歌詞を覚えないといけないから、なるべく早く覚えてもらえるように僕も彼の側で復唱してました。本番は当たって砕けろというノリでやりました。芝居の中でヤケクソ感を出したかったので、本番一発で臨めたのは逆によかったと思います。とにかくハ・ジョンウ氏と歌いながら遊べればいいかなと思って、振り付けもほとんど適当でしたね」

ハ「特にリハーサルや打ち合わせはやっていません。あれは撮影の後半に撮ったシーンで、すでに僕たちがお互い打ち解けた親友同士になっていたこともあり、カメラの前にいることを意識をせずに、これは遊びだから歌って楽しいひと時を過ごそう! という感じで、ダンスも童心に返ったようなノリでやらせてもらいました」

――“出会い”もこの映画のテーマのひとつですが、この映画に参加してどんな出会いがありましたか?

妻夫木「亨とヒョングが出会ったように、僕はハ・ジョンウ氏と出会いました。何が変わったかなど明確なことは分からないけど、国境を越えて仲良くなることができて、いろんな可能性を感じましたね。アジアはこれからもっと進化していくと思います。いろんな問題もあるだろうけど、僕は最終的に『人間って素晴らしいよね』という答えに達したというか、僕たちはもっと歩み寄っていけると思いました」

ハ「映画を通じて日韓両国が将来的にいい関係を構築できると思ったし、映画を作る新たなスタイルが確立できたと感じました。具体的に言うと、費用を安く押えてなおかつ効率よく撮影できる新しいビジネスモデルができたと思います。また、この映画であなた自身にどんな出会いがあったか? という質問には、『聡という親友に出会えた』と答えたいと思います」

劇中のヒョングと亨のように お互いかけがえのない存在になった
劇中のヒョングと亨のように お互いかけがえのない存在になった

――この映画のサブタイトルは「泣かない男なんていない」ですが、お2人が男泣きするのはどんな時ですか?

妻夫木「終わりを迎えたときにそういう気持ちになりますね。たとえ一生の別れではなくても、絶対的な幸福感は続かないと思うんです。亨とヒョングが出会ったように、僕とハ・ジョンウ氏も出会ってから毎日楽しく撮影して、新しい自分を発見したり、新しいハ・ジョンウ氏を見ることができた。ラストシーンの撮影では、実際に泣いているシーンだったこともあるんですが、終わりたくないという寂しい気持ちが込み上げて本当に泣いてしまいました」

ハ「男泣きと言われても、特別に泣いたという記憶はあまりないんです。でも聡が言っていたシーンは僕も胸が詰まりました。でもキャラクター上、泣くわけにはいかなかったので、グッと我慢しました(笑)」

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