「とてもリアルな御伽噺」鈍獣 にゃらんさんの映画レビュー(感想・評価)
とてもリアルな御伽噺
子供の時A君は毎日毎日女の子のようなB君をいじめていた。
B君もやめればいいのに懲りずにいつもA君たちのところにやって来た。
或る日A君はいつものように泣き出したB君を置いて帰ろうとした・・・その時B君が泣きながらA君に向かってきた。
「突き飛ばされる!」とA君が身構えたその時!B君はA君に抱きついた。
A君は予想外のことに驚いてB君を振りほどいて投げ飛ばしたが、B君は何度投げ飛ばしても泣きながらA君に抱きついてくる。
だんだん怖くなってA君は逃げ出した。
A君はその時より以前も以後も何度もいろいろな人と喧嘩をし殴り合いもしたそうであるが、怯んだことはなかったそうだ。
唯一B君に抱きつかれたその時が一番怖かったという。
私の友人とその親友の始まりの話である。
その話をこの映画を観ていて思い出した。
幼馴染みの友達は恋人よりも夫婦よりも長い付き合いで、そうなると親密な分だけ当然嫌になる時も、憎しみに近い感情を持ったりすることもある。
綺麗ごとだけじゃ語れない部分もあるし、
片思いの時もある。
実際に殺そうとすることはないが、
心の中で友達を否定したり(殺したり)
関係を抹殺したり・・・
でもその度にいつの間にかゾンビのように復活して・・・
そのうち『親友』ってものになっていたりすることもある。
私にも親友がいる。
この映画は御伽噺のようで、私にはとてもリアルな友情の物語りだった。
そしてこのストーリーをこのテンポでこのキャストで
そしてこの映像で・・・
映像、テンポ、脚本、キャストどこをとっても私の好きな映画でした。
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