「不思議な世界観」鈍獣 Chisaさんの映画レビュー(感想・評価)
不思議な世界観
岸田國士戯曲賞を受賞した宮藤官九郎の舞台「鈍獣」を映画化!
◆登場人物
江田(北村一輝):街のトップを目指すホスト
岡本(ユースケサンタマリア):警官。江田の幼馴染
凸川(浅野忠信):江田と岡本の幼馴染。小説を書いているとかいないとか
順子(南野陽子):キャバクラにママで江田の愛人
ノラ(佐津川愛美):順子の店で働くキャバ嬢
アキラ(ジェロ):誰だっけ...忘れた
静(真木よう子):出版社の編集者
◆舞台
相撲中心の街、ときわ
◆ストーリー
凸川の小説が賞にノミネートされた直後、印税を江田という人間に渡すという書類を残して凸川が行方不明になってしまう。
彼の行方を調べるため、静は江田の住む街、ときわに向かう。
江田たちは、凸川の小説が彼らのプライベートを赤裸々に暴露するものだったため、生活に支障が出てしまい、その恨みで彼を殺害したと話す。
しかしよくよく聞いてみると実は凸川はあまりの鈍感さゆえに「殺しても殺しても死なない」という奇妙な体質の持ち主だったことが判明する。
今、凸川は生きているのか?
ちょっと不気味でコミカルな友情の物語。
◆凸やんはなんで小説を書いたのか?
25年前に起こった事件(三人と一緒に遊んでいた同級生が死んでしまう)について、隠しておくのが辛かったから?
誰かに話したいけど、もう時効だし、小説で書けばフィクションってことで逮捕もされないから。
◆なんで小説を書いたことを隠したのか?
自分の小説が原因で、江田と岡本との友情にヒビが入ってしまって、凸やんはやっぱりすごい悲しかったんだと思う。
「鈍すぎて自分を殺そうとしていることにすら気付かない」っていう設定だったけど、江田と岡本に対する罪悪感と贖罪の気持ちから、「殺しても死なない」っていう特異な体質になったんじゃないかなぁ。
友情を取り戻すまでは「僕は死にましぇん!」的な。
だから最後、
「お互いに全部(勝手に小説を書いたことも、恨んで殺そうとしたことも)許そう!おしまい!」
ってことで江田が凸やんを「ウルフ」って呼んで、和解したんじゃないかなぁ。
終盤まで「凸やんは幽霊なのかなぁ〜」とか思いながら観てた。
あのヘラヘラした感じ好きだなぁ〜
高橋由伸も長島茂雄に「ウルフ」ってあだ名つけられたって今昼帯でやってたw
定着しなかったらしいけどw