「演技派は今回もかぶった。」宮廷画家ゴヤは見た ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
演技派は今回もかぶった。
今やカツラ俳優と化した?H・バルデムのユーモラスな怪演、
このあいだはマッシュルームヘアの殺人鬼でしたが^^;
今回はとんだ性欲神父(汗)すでに信念などどこにもありません。
あの大きな顔に今回はミディアムカールのカツラを使用、
合ってないものを合わせてくる彼のセンスには舌を巻きますね。
この映画…ちょっと題名で損している感じがあります。
(観終わった時点で、すごく上手な邦題だと気付きますが)
大げさな芸術映画ではないし(ゴヤの絵画は中心になるけど)
特にそういうものに興味がない人でも、楽しめる作品です。
なんといっても。。
俳優陣の演技が見事、主演三人の演技には狂喜すら感じます。
さらに話の奥行きが歴史の変遷と相まって描かれ、
当時の異端審問など、かなりの絶望感を味わうことになります。
拷問、死刑、目をつぶりたくなるシーンも確かに多い。。
これはどこまでがフィクションなんでしょうか。
ゴヤが完成させる二枚の絵。そこに描かれた神父と美女が、
どのような人生を歩んでいったかをゴヤが見つめ続ける物語。
特にN・ポートマンが、天使のような美女から審問にかけられ、
拷問され、のちに解放された時の変貌ぶりは見事なものです。
うわ~!と思いましたね。女優魂見せたろか!!って感じで。
可愛い役ばかりだった彼女が(脱がないのでも有名だったし)
最近ではかなりチャレンジな役どころを演じていますねぇ。
まぁ^^;周りが。。
バルデムとスカルスガルドおじさんですから(爆)
彼女もそのくらいインパクトを与えないとならなかったのかも。
…にしても、見事な演技だったと思います。
そして、さすがにフォアマン監督は脚本も手を抜いておらず、
単なる宮廷モノに偏らない歴史ドラマを構築しています。
悲劇…に他ならないので、泣けてしまうシーンもありますが、
かなり観応えがある面白い作品ですので、これはおススメです。
(豚肉は美味しいんだぞ~。好き嫌いは昔から悲劇を招くのね)