「ダラダラ感の方が先に立つ」パブリック・エネミーズ かみぃさんの映画レビュー(感想・評価)
ダラダラ感の方が先に立つ
自ブログより抜粋で。
--
男臭いギャング映画は嫌いじゃないんだが、どうもこの映画のデリンジャーは色男過ぎて、まるで話としての魅力が感じられなかった。
いや、ジョニー・デップの演じるデリンジャーはとっても格好いいの。相手役のビリーもお美しい。
ただ、美男美女のとんとん拍子のラブストーリーは正直退屈で。
クリスチャン・ベイル演じるデリンジャーを追う捜査局のメルヴァン・パーヴィス捜査官もデリンジャーに負けず劣らず格好いい。思うように捜査が進まない苛立ちに共感もする。
ただこれもまた、史実に忠実であろうとするせいなのか、捜査の展開がいまひとつ盛り上がらない。
追う者と追われる者の駆け引きに緊迫感が感じられず、捕まるときはあっさり捕まって、脱獄もこれまたあっさり。
その鮮やかさ、したたかさに格好良さを感じられなくもないが、これもとんとん拍子が過ぎる気がして、ダラダラ感の方が先に立つ。
(中略)
時代の流れの中でデリンジャーのやり方が時代遅れになっていく悲哀とか、部分的には面白く感じるところがなかったわけじゃないんだけれど、描こうとするどれもこれもが中途半端だったような。
“社会の敵ナンバーワン”とまで呼ばれたカリスマ・デリンジャーが、やがて居場所をなくしていったように、この映画の内容もすぐに忘れてしまいそうだ。
せめて心の片隅にでも残るように、最後に言おう、「バイバイ、パブリック・エネミーズ」。
コメントする