「ジョニー&ジョン・デリンジャー!」パブリック・エネミーズ えきすとらさんの映画レビュー(感想・評価)
ジョニー&ジョン・デリンジャー!
1930年代にシカゴを拠点にしていた強盗犯ジョン・デリンジャーが、このタイトルの様に“社会の敵No.1”と呼ばれたのは、当時のFBI幹部が失態から目を背けさせる為に大袈裟に名付けただけであって…生涯で一人しか殺してない事実とは裏腹に、その悪名が独り歩きをして伝説的になってしまった。
マイケル・マン監督も当然に売れ線の俗っぽい強盗伝にする訳もなく…彼なりの脚色で等身大のデリンジャーを渋く語るコトに徹する。
ただし、決め台詞や印象的なエピソードを挟み込む前半で、それらが効果的に生かされてないメリハリの無さで長く感じてしまったのは惜しい…が、終盤に見せるただならぬ緊張感と映画好きをニヤリとさせる演出でかなりの余韻に誘うあたり、今回もマイケル・マン美学にしてやられたかな。こだわりの銃撃戦も相変わらず一級品だし。
汚れた金のみを奪い、仲間は裏切らずに、愛した女は最後まで守り切ろうとし、来た道なんぞは振り返らず、最高の今日を過ごす…ジョニー・デップが良くも悪くもカッコ良すぎるって。
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