「ベンハーもどき」デス・レース odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
ベンハーもどき
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市街地レースで人を轢くと加点されるというとんでもないルール、しかも大統領公認、エロ・グロ・ナンセンスを詰め込んだ狂気の毒映画「デスレース2000(1975)」のリメイクだとか。
命がけのカーレースに興味はあるものの原作では余りにも不道徳、そこで普通の観客でも許容できるギリギリの線でのリメイクを思い立ったのでしょう。
本作も毒気十分だが、狂気の舞台を刑務所内に限定している。カーチェイスならトランスポーターのジェイソン・ステイサムがヒーローに最適であることには異論は無かろう。
見せ場は改造車でのデス・レースなのだが、なんとなく名作「ベンハー(1959)」のチャリオット(戦闘馬車)レースを想起させる、主人公が冤罪で投獄されるところもそっくりで、まるでオマージュに思えてきた。
狂気の女所長はローマ時代の皇帝か、コロッセオでの殺人遊戯や戦車レースと言い古代からデスマッチを娯楽としてきた人類の暗部を風刺したかのようだが、それはアンダーソン監督が面白がる観客にエクスキューズを与えてくれているのだろう。
TVではエンドロールはカットされていましたが、危険運転、良い子は真似をしないようにとのクレジットが出たようです、なんとも人喰った監督さんですね。
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