劇場公開日 2008年11月29日

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デス・レース : 映画評論・批評

2008年11月25日更新

2008年11月29日より有楽座ほかにてロードショー

「スピード・レーサー」の対極にある粗く熱い手触り

「デス・レース」は「スピード・レーサー」の対極にある。どちらのリメイクも、オリジナル作は荒唐無稽なカーレースものだが、演出の向かった方向は真逆。「スピード・レーサー」は原作以上に現実から離れ、スピードと彩度の限界に挑戦して、レースカーを重力から解放する。「デス・レース」は原作にはない現実味を付加、エンジンを覆う重金属はどこまでもぶ厚く重く、タイヤと地表との摩擦は極限に達し、レースカーは重力に軋む。さらに「ボーン・スプレマシー」以降の全ハリウッド・アクション、新007や新バットマンまでもが倣ったドキュメンタリー系演出に沿って、映像の手触りは粗く熱い。

その結果、カルトではなく現代的な痛快娯楽アクションに仕上がったが、これは監督ポール・W・S・アンダーソンの計画通り。彼は元々「イベント・ホライゾン」と「ソルジャー」の監督。ハードSF的世界観と整合性のあるストーリー展開が好きで、「バイオハザード」「AVP」でも自明なように、どんなネタが来ようがこの好みを貫く。今回もその好みがいい意味で発揮されている。

ふと思い出したのは、アンダーソン製作の「バイオハザードIII」。大型トラックが砂漠を駆動するときの陽炎に歪むタイヤの映像に、監督が「ハイランダー」のラッセル・マルケイであることを思い出したが、アンダーソン監督もあれを見て、俺ならこう撮る、と思ったのかもしれない。

(平沢薫)

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