「想像力が人間の頭脳のコントロールの限界を超えたら?そんな無謀な挑戦を、こともあろうに観客に突きつけた作品。」リミッツ・オブ・コントロール 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)
想像力が人間の頭脳のコントロールの限界を超えたら?そんな無謀な挑戦を、こともあろうに観客に突きつけた作品。
想像力が人間の頭脳のコントロールの限界を超えたらどうなるか?
そんな無謀な挑戦を、こともあろうに観客に突きつけた作品。従って、史上最高の難解な作品。試写会でも?やあくびやざわめきが飛び交っていました。
撮影しながら、思いつきでセリフを決めていったと言うから、無理もないことでしょう。
よーく見ていると、主人公は無口な殺し屋らしい。何となくジャイアント馬場に似ています。そして主人公は寡黙な上、何しろセリフが極端になく、冒頭の依頼者からの依頼ですら、抽象的なので、何をどう依頼したのか、分かりづらいのです。
スペインに到着して、暇をもてあました男は、趣味としてらしい美術館へ画を見学に行きます。不思議なのは、展示されている絵画と同じことが、主人公に起こっていくのです。従って、このあと描かれている様々なシーンが、現実なのか、男の空想なのかすらはっきりしません。
例えば裸婦の絵画をじっくり鑑賞したあと宿に帰ってみたら、絵画と同じ構図で美女がハダカで寝そべっていたのです。
でも男は仕事中は、セックスしないことにしていると言ってのけ、据え膳を喰おうとしません。他には、携帯を使わないこと、殺し屋なのに拳銃を使わないことなど、ルールにしているようでした。
男への依頼は断片的。どこへ行けとか指定のものを持つ人物に合えとかそれだけの限られた情報しか与えられません。
待つだけの男は、いつも近所のカフェで、2杯まとめてエスプレッソを注文するのが日課でした。
依頼者の代理人がコンタクトしてくるとき、必ず黒いヘリコプターが近所に舞い降ります。そして代理人が変わっても、カフェにいる男に近づいて、スペイン語が話せるかと聞き、お互いのマッチ箱を交換して立ち去るパターンばかり。
男に渡されるマッチ箱には、意味不明のメッセージが。男が渡すマッチ箱には、時々ダイヤモンドの粒が入っていました。黙々とマッチ箱を交換していく旅路の中には、工藤夕貴も登場。何か特別なことをするでもなく、マッチ箱を交換しただけ。但し、分子の不思議を述べてみたり、日本語で宇宙の真理を語ったり、意味不明な言動を行います。
毎シーン代理人が変わっても、同じパターンが繰り返されるし、その行動の意味が全然明かされないので、いい加減飽きが来て、途中寝込みました。
男は、スペイン中を指示されたとおり、転々として、やっと具体的な殺人の依頼に遭遇します。でも、ターゲットの部屋に音もなく、厳重な警備のスタッフに全く気付かれなく、突如潜入してしまうのは唐突。これも現実のようで空想世界の可能性があります。
結局、人ひとり殺して終わりという映画でした。もしこれがアクションやサスペンス映画ならものすごく単調なストーリーなんです。
出鼻から、何が起きそうだと、さんざん期待されておいて、結局これだけかよ~、という展開には、腹立たしさも通り越えて、あ~あ!と脱力感に包まれて強いました。
あなたは、この作品を理解できるでしょうか?
yahoo映画レビューで高得点なのが、信じられません(^_^;)