「 父を亡くし母に捨てられたノミ(ユ・ジテ)は黄家に下男以下の扱いで...」ファン・ジニ 映画版 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
父を亡くし母に捨てられたノミ(ユ・ジテ)は黄家に下男以下の扱いで...
父を亡くし母に捨てられたノミ(ユ・ジテ)は黄家に下男以下の扱いで引き取られ、チニを見守りながら育つが、彼女のわがままで遊郭へ連れ出したとして痛めつけられる。黄家を飛び出したものの、成人してから黄家へ戻ってきて執事となって再び陰からチニを見守ることになる。出生の秘密とは黄家の主人が下女に産ませた子であったこと・・・嫁いでしまうと自分の元を去ってしまうと思い、ノミは縁談先へ秘密を暴露したのだ・・・
妓生となるためノミを世話人とするのだが、そのため彼に貞操を捧げる。秘密を暴露したのは自分であると打ち明け、やがてチニの前から去ってゆくノミ。貴族育ちで学んだ詩歌の才能を活かしてキーセンとしてナンバーワンの座を獲得したチニ。一方、ノミは窃盗団の頭目となり、貧乏な村人のために金持ちから金銭を奪い続けていた。
両班の町にやってきた長官からの寵愛を受けるチニ。しかし、彼には体を許さなかった。微妙な関係が続く・・・やがて窃盗団の行為に対する我慢出来なくなった長官は官軍までもを要請して一掃する計画を立てる。村が焼き討ちに遭ってもノミは捕まらない。彼の弟分であるソドンがチニの下女であったイグムと結婚し、その隙にソドンは捕えられ拷問を受ける。ソドンさえ釈放させればノミも捕まらないと考えたチニはとうとう長官に体をゆだねるのだった・・・しかし、ノミも同時に自首してくる。
身分違いの恋。チニの秘密暴露という罪のため、自ら身を引いたノミだったが、常に彼女のそばにいて見守り続けていたのだ。身体は売っても心は売らぬといったところか、2人の純愛は訴えてくるものがあるし、身分制度へのやりきれなさも伝わってくる。駆け落ちとか、下剋上みたいな打ち破る術さえもないのも当時の世の無慈悲さか・・・慈悲などない!とチニも言ってたし。
残念なのは性の描写がないため、上に書いた肉体関係はすべて想像。