劇場公開日 2009年2月28日

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「盗まれた世代をピックアップした芸術作品」オーストラリア Don-chanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5盗まれた世代をピックアップした芸術作品

2024年9月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

幸せ

今作は物語であり、ノンフィクションではない。
オーストラリアの景色も、零戦や船のディテールも、当時の人々の服装も何もかも全て拘った映像。
リアルさを追求し、静寂も含め音にも徹底的に拘っている。
しかし、実際の人物、団体、出来事とは関係ない。

今作の見どころは人の心の変化、立場の変化、世界の変化。
すぐに急に変わるものと、時間をかけてようやく変わるものを丁寧に描いている。

空から神の使いのように現れた大日本帝国軍の戦闘機が、白い悪魔のようにも見えるが、結果的にサラ・アシュレイ(ニコール・キッドマン)とナラにとっては奇跡的な魔法のような効果をもたらし、さらに悪の支配を終わらせ、世界を良い方向に変化させていて面白い。

二部構成(前半は牛を回収する西部劇で、後半は別れと再会の戦争映画)で本編166分と長尺だが、面白くて繰り返し視聴した。
迫力満点なので大画面での視聴をおすすめしたい。

Don-chan