「ママのお弁当だから。」のんちゃんのり弁 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
ママのお弁当だから。
いかにも昼ドラ?系のほのぼのドラマかと思いきや、
意外にも世知辛いドラマとなっているのに驚いた。
設定そのものはありきたりだが、
若い主人公の考えの甘さ、開き直りの早さ、図太さ。
あ~甘いわ、それじゃあ。と思わせるリアルの連発と
強い女にだらしない男。っていう定番の組み合わせ。
自立、自立、とエラそうにいきがっても、
世の中そうは甘くないことを突きつけてくれる作品だ。
こういう甘ったれ夫婦って多いんじゃないかな…。
夢を語る夫に憧れ、私が支えてあげるの♪なんて
結婚するも、蓋を開ければ仕事はしない、稼がない、
とんだナマケモノ、ろくでなしに為り下がる亭主。
可愛い子供も生まれたのに、これじゃあ困るわ!と
即離婚。ところが妻にだって何のアテもない。
とりあえず実家になだれ込み、親の世話になるも、
親とて大変な生活なワケで、さて自立をしなければ…
って、遅い!気づくの遅すぎ。(爆)
生活の基盤が整わないのに、早まりすぎでしょうが。
まぁドラマなんで…^^;仕方ない。
で、ご自慢のお弁当でいっちょ店を開くか!なんて
夢を掲げるも、まずはお勉強!というので弟子入り。
小料理屋の主人・戸谷(岸部一徳)の正しい伝授の元、
めきめきと腕をあげる主人公だったが…。
女がひとりで生きていくのは(多分)並大抵な事でなく、
ましてや子供を抱えていればなおさら。
それでもそういう道を選ぶのなら、やはりこのくらいの
苦労は当たり前なのかもしれない。
だけど思うのは、いちばん考えなければいけないのは
本当は、のんちゃんの気持ち。なんだよな。
のんちゃんのり弁の、のんちゃんとはひとり娘の名前。
彼女にとっては、お父さんもお母さんも大切な両親で、
それが離婚し、メチャクチャになっていくのが辛いのだ。
厳しい現実と自身の夢。
結局のところ、この夫婦は二人して同じことをしている。
自身の甘さや弱さを互いになすりつけては正当化する。
それに比べ、お父さんに逢えず、お母さんが忙しくても、
何も言わず我慢している子供がいかにオトナかが分かる。
子供ってエライな。
このドラマを観て、自分自身も反省することしきりなのだ。
大甘な人生を歩んできた人間にも再生の道はある!!
そんな、人生再出発・大教訓物語。という感じである。
(今やお弁当は298円の世界。厳しい現状はまだまだ続く)