「技術がレジェンドに追いついた。」QUEEN ROCK MONTREAL 蛇足軒妖瀬布さんの映画レビュー(感想・評価)
技術がレジェンドに追いついた。
IMAXの技術が、
レジェンドに追いついた。
ロジャーのフォーカスだけはキレキレだった。
ティンパニ、ドラ、定位置に、
トップと正面のライティングが決まっていたから絞りも一定で集中できたのだろう。
背後から狙うカメラはキューブリックが開発途上のステディなのか、
おとこまえが更に光っていた。
一方フレディは動きまわるので、逆にフォーカスがきてないカットが神々しかった。
脇のブライアン、ジョンが黙々とこなす職人技も効いていた。
カメラは正面三方、両舞台袖、ステディっぽいカメラ、
5台以上は使用して、当時のフィルムの感度でも充分にIMAXで魅せてしまう技術の高さと、その意図を反映させたリマスターの技術の両方が凄かった。
2024年の技術が、
1981年の伝説に追いついた。
【蛇足】
80年代前半、
DEVOやポリス、
ユーリズミックス、
メン・アット・ワーク等々、
ジャンルにはカテゴリーできないバンドがいっぱい出ては消えていった。
クイーンはもちろん、
ビートルズやストーンズ、70年代以前の音楽を聴いているのはカッコ悪うーと言われ、
それと共にレコード店がCD店に変わっていった。
そして、
イギリスではBANDAID、
アメリカではWE ARE the world、
そしてLIVE AID。
衛星生中継は、
日本のアナウンサー、
キャスターはバンド名を知らない、
中継映像は途切れる、
多くのバンドの演奏も急成だからかガタガタ、
ツェッペリンまで待とう、
司会がジャック・ニコルソンだから我慢しよう、
やっぱり無理があるんじゃないか、
時差含めての二元中継、
観るのをやめようとしていた時、
声とピアノと拳で、
約7万人の観客と世界中のテレビの視聴者を、
ひとつの巨大な波に変えてしまったのは意外にもクイーンだった。
フレディがまた世界をひとつにしている。