劇場公開日 2010年11月6日

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「子供の頃を思い出す」リトル・ランボーズ マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0子供の頃を思い出す

2010年11月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

性格がまったく異なるふたりの少年の対比が面白い。
厳格な戒律を守る家庭に育ち、少し気弱なウィル。そして兄とふたり暮らしで、家では兄に頭が上がらないが、学校では“超”がつくほどの問題児カーター。とくにカーターの大人顔がいい。演じたウィル・ポールターの将来が楽しみ。
ふたりに共通しているのは、自分の時間を好きなことに使いたい、知らない世界に羽ばたきたい興味旺盛なところだ。そして、ふたりとも家庭では孤独。それはやがて現実に縛られるもがきと爆発へと繋がっていく。
テレビも見せてもらえないウィルが偶然、目にしたビデオの「ランボー」。衝撃を受けたウイルと、映画好きのカーター、ふたりがとった行動は映画グッズを集めるようなことではなかった。自分たちで「ランボー」を撮ることだった。このあたりの思い入れが時代を反映してピュアだ。
突拍子もないアイデアで映画を撮り続けるが、本人たちはいたってマジメ。親からも学校からも離れた世界に、自分たちの居場所を見つけていく。やがてふたりの間に亀裂が入るが、それは、せっかく手に入れた自分の世界を誰かに取られてしまうという不安と焦燥によるものだ。
何かにのめり込む一途さ、縄張り意識と友達を取られることへの嫉妬、ケンカと絶交の日々を繰り返した子供時代を思い出す。

主役ふたりが30代ぐらいになったとき、また共演する作品ができたらいいね。

p.s. 私が小さい頃は、忍者映画を見れば手裏剣を作り、西部劇を見れば木を削ってライフルを作り、怪獣映画ともなればモスラを作って紐で吊るして遊んだものです。近所の子が集まってきてガキ大将になりますが、大人たちからは「あの子はアブない遊びをするからダメだ」なんてよく言われました。遠いよき思い出です。

マスター@だんだん