「時空を超えて繋がるホラ話」フィッシュストーリー yonda?さんの映画レビュー(感想・評価)
時空を超えて繋がるホラ話
凄く良かった。
映画化するの大変難しかったのではないでしょうか。
ラストシーンはまとめ映像なんだけど、これがとても良い。
タイプライターのアップにモノクロではじまるあたりスモークという映画を思い出した。作品中でオーギーレンがクリスマスストーリーを語り、語り終えた後にその映像がトムウェイツのinnocent when you dreamともにセリフなしで流れるエンディングなのだけれど、あの感覚に近い。
時代をまたいで少しずつ見せて、オチまでいかないようなつくりになった作品なのだけれど、表題曲の繋がりだけ大まかに言うと
fishstoryという海外小説があり、誤訳で間違った内容で出版されその後回収。幻の本となったその1冊からフィッシュストーリーという曲が生まれ、 その曲キッカケで子供が生まれ正義の味方となり、とある天才の命を救う。天才は地球滅亡の危機を回避する。ざっくり過ぎだがこんな感じ。
ストーリーわかっていたとしても楽しめる映画なので、時系列順で備忘録しておくと。
2012年。巨大彗星が近づく地球滅亡の危機。
彗星に核を仕掛けてピンポイントでミサイルを命中させなければならない。0.000013%の成功率といわれるなか計算式を駆使して命中させる多部未華子(数学の天才)
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2009年。シージャック事件で多部未華子(名門高校の理数系の生徒)がピンチに。森山未來(正義の味方になるべく鍛えられてきたパティシエ)に命を救われる。
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1999年。ノストラダムスの予言を信じた人々。その日が来るが地球は滅びない。宗教家3人のうちの一人が予言書には10年のズレがあるから2012年に何か起きると言う。他の二人は2009年だと言う→シージャック事件
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1982年。大学生3人組が女性3人とコンパ。そのうちの一人で臆病者の濱田岳が謎の美女から 「いつか世界を救う重要な役を担う男」と予言される。帰り道の運転中、不意にカセットデッキを再生させてしまう。曲は逆鱗のフィッシュストーリー。この曲には、謎の1分間の無音状態がある。静寂に聞こえてくる女性の悲鳴。ヘッドライトを当てると女性がレイプされる寸前。恫喝されて逃げ出しそうになったがフィッシュストーリーが脳内に溢れ正義の心で立ち向かう。女性と二人でなんとか撃退、助けた女性は運命の人だった。で、二人の子供が森山未來。
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1975年。パンクバンド逆鱗はレコード会社と契約するも首の皮1枚。最後となるレコーディング前に作られたのがフィッシュストーリー。この曲はレコード会社の大森南朋が亡くなった叔母から貰ってきた本を引用して書かれた。録音中ボーカルが熱くなり、歌詞にない自分の想いを語ってしまう。が、その部分は録り直しせずにカットして無音のままリリース決定。バンドメンバーと大森南朋で打ち上げ。無音部分がキッカケでこの曲が世界を救うんだみたいな冗談まじりの雑談をする。
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1953年。とある出版社。海外小説の翻訳者が足りずに採用した男が英語力ナッシング。FishStoryを翻訳して販売するも誤訳だらけで内容が違うので返本騒動&会社倒産。大森南朋の叔母がその出版社に勤めていて返本の山から1冊ちょろまかしてくる。その本の冒頭の一節が
僕の孤独が魚だったら巨大さと獰猛さに鯨でさえ逃げ出す
正義のヒーローとなる為に修行するシーンで映画ベストキッドのオマージュありでニヤリとさせられた。