「『エネミー・オブ・アメリカ』+『アイ、ロボット』+『ダイ・ハード』」イーグル・アイ 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
『エネミー・オブ・アメリカ』+『アイ、ロボット』+『ダイ・ハード』
コピーショップの店員ジェリー(シャイア・ラブーフ)が、外出から帰宅すると、部屋には最新の武器が部屋一杯に。不思議に思っていると、携帯電話に謎の女から「FBIが来る。直ぐ逃げなさい。」と言う電話が・・・。一方、シングルマザーのレイチェル(ミシェル・モナハン)の元にも、息子の命が惜しければ指示に従えと言う、やはり同じ謎の女からの電話が掛かっていた。全く面識の無い男女が、数奇な運命から行動を共にし始める・・・。
とか何とかストーリーを要約してみましたが、言ってみると、嘗て『エネミー・オブ・アメリカ』と言う、知らぬ間にトラブルに巻き込まれた挙句プライバシーを侵害され、国家機関から監視・追跡されてしまうと言うウィル・スミス主演の映画がありましたが、それと、超高性能なロボットが人間を襲ってしまうと言う、やはりウィル・スミス主演の『アイ、ロボット』を足して、二で割ったみたいな感じ(?)と言えば、当たらずとも、遠からずだと思います。そして、実は結構派手なアクション映画です。『ダイ・ハード』シリーズにも匹敵と言うのは、言い過ぎかもしれませんが、それでもかなり派手です。
冒頭のシーンは、ちょっと予想を外すところから始まります。もっとも、それがこの映画の重要なポイントであったのは、物語の後半に明かされるのですが、いまのアメリカをある意味象徴するような場面では有ります。そして、アメリカ側の物語の舞台はシカゴから始まるのですが、なぜシカゴ? LAXとか、NYC とかがアメリカの映画の定番だと思うんですが。D.C.ではロケしているんで、NYCで出来なかったと言う事でも無いと思いますしね。ちょっと不思議に思いました。
この作品は、そもそもスピルバーグ自身が映画化しようと思っていたのですが、彼は『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』も撮っており、そちらに集中する必要があったので、D・J・カルーソーに監督を託したと言うシロモノ。その意味で、スピルバーグの思いが篭った作品でもあります。”秘蔵っ子 ”シャイア・ラブーフが主演ですしね。
この物語のもう一人の主人公「謎の女」ですが、その正体は物語の後半に明らかになります。なるほどねぇと言う感じです。それならば、電話を操作したり、次々と信号を変えたり、機械を操作したりするのも、簡単ですよねぇ。アメリカでは、電話はNSAに常に監視されているという話もありますしね。
リアリティに拘ったと言う話ですが、その通りに、それなりにリアリティのある仕上がりになっています。ですが、数点、納得の行かないところが。1点目は、物語後半に、プレデターを撃墜するために、F-16が追いかけるシーンがあるんですが、その際、遠隔操作でF-16のパイロットをベイル・アウトしてしまうんですが、これは多分無理。ありえないです。そしてもう一つ。これも物語り後半、って言うか、クライマックス。ジェリーが危機を知らせに議会に向かうんですが、それに対する議会警察?の反応が鈍い。POTUSがいるんだから、ちょっとねぇ。
とか何とか言っていますが、結構面白いアクション映画です。