「スピルバーグに引けをとらない演出」イーグル・アイ マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
スピルバーグに引けをとらない演出
電話の主、謎の女の正体は観る前(予告篇で)からおおよその見当はつく。それでもこの作品が面白いのは、個人情報が操られ、市民が常に国家から監視されているかもしれないということが、決して他人事ではなくなった現代社会を扱っているからだ。また、スケジュール的にスピルバーグ本人が監督できなかったのにもかかわらず、カルーソ監督がスピルバーグに引けをとらないカット割を披露して観るものを画面に釘付けにする手腕も見逃せない。とくに冒頭の米軍によるテロリスト空爆のシーンは、余計な説明一切なしで緊迫の数分を演出してみせる。
サスペンス仕立ての仕掛けが面白く、突き抜けるようなサウンド設計といい、エンディングといい、痒いところまで手が届いたような好みの作品。
コメントする