「偉大に至る道程」チェ 28歳の革命 ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
偉大に至る道程
ソダーバーグの映画が好きか嫌いか…白か黒かで訊ねられると…今迄、自分は限りなくグレーに近い判定をしてきました。
嫌いと言い切ってしまうには、毎度話題性が高く、目を背けられない。
好きと言ってしまうには、あまりにも芸達者過ぎて“鼻に付く”…。
……そう、“鼻に付く”んです。
『オーシャンズ』シリーズしかり『トラフィック』しかり…あのドキュメンタリータッチの余裕綽綽の大御所ぶった手法……とにかく、鼻に付く!ああ、鼻に付く!アナタは気取り屋さん!
…と、いうことで、それを踏まえての(何の?)…この「チェ/28歳の革命」です。
やっぱりドキュメンタリータッチは健在。
冒頭から年代があっち行ったり、こっち行ったり…観ていて若干混乱しました。
……が、それも最初だけスね。一度理解すると、むしろ、この方が彼を理解しやすい。
只ですね、ドキュメンタリーというか、あくまでエピックの側面で淡々と描かれていくゲバラ像。
彼の取った行動、彼の信念は理解できても、彼の内面までは理解できません。まあ、もちろん、実在の人物だった訳だから、勝手にあの時“こう思ってました”とはいかないでしょうが…
彼の行動を淡々と外面から丁寧に描くことで、彼が偉大なる革命家に成長していく過程が分かる、という構図なんですよね。
それと、クライマックスのサンタ・クララ制圧は手に汗握りました。あれだけを切り取って、もっと濃密に描けば、映画として全然成り立つぐらい。とにかく、凄かった…
観方によっては、非常に評価の分かれる映画だと思います。
自分は、そうですね…ソダーバーグの手法が、今回は正しかったと思います。未だに判定はグレーですがw
続編も、是非観たいと思います。
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