「なんかいい。」彼が二度愛したS 77さんの映画レビュー(感想・評価)
なんかいい。
タイトルから勝手にラブコメ寄りなお話かと思ってました(観はじめた瞬間のトーンですぐ間違いだと気付きましたw)が、観終わった今改めてタイトルを見ると、稀にみる原題超えの邦題な気がします。
きっとこの映画が好きな人が工夫して付けたんだろうなあって。
序盤から引き込まれる作品でした。というのも対極関係にあるメインの二人、ヒュー・ジャックマンのチャラチャラした成功者っぷりとユアン・マクレガーの自分に自信がない感じの男っぷりのお芝居がとにかく完璧なのです。
ミシェル・ウィリアムズも“S”の雰囲気にホントにぴったり! どこかセクシーでどこかあどけなくて。モデル的な綺麗さじゃないんだけど自毛のブロンド(根元から金髪が生えてくるってどんな感覚なんだろうw)が綺麗で肌色というか白色に近い肌には思わず目を奪われる。最後の笑顔素敵すぎ。
マギー・Qやシャーロット・ランプリング演じる女性たちも作品にいい味つけしてました。個人的には彼女達のくだりをもっとみたかったくらい。
H・ジャックマンはプロデュースにも携わってるってことですが自身を含め人選的確すぎます。
感覚の話なんですがこの映画私は全体的に“流れ”がすごく小気味よかったです。
例えばジョナサンの欲求不満な感じからクラブにハマるまでの映像も、意図的に溜まってると伝えるための画だったり、E・マクレガー何カットベッドシーン撮ったんだろうってくらいなのに下品にならずにセクシーで、それがそのまま作中の雰囲気として流れてるというか…ああ上手く言えない。
なんか色んなラインを抑えてながらなめらかななんですよね。後半少し失速した感もあるので満点ではないんですが、好きな作りでした。
脚本もサスペンス、物語としては凡庸なものだしもう少しクラブや警察を掘り下げてたり絡ませたりして欲しかったなとは思うんですが、下衆ながらも常に一枚上手で有無を言わさないワイアット(「第一印象が肝心」の説得力w)に対してハラハラもしたし一瞬でもまさか一人勝ち…?と思わされた私は結構満足できましたw