「SW史上 最大最重要の師弟間悲劇の序章とオーダー66の陰謀、フォースゴースト体得への伏線」スター・ウォーズ クローン・ウォーズ アンディ・ロビンソンさんの映画レビュー(感想・評価)
SW史上 最大最重要の師弟間悲劇の序章とオーダー66の陰謀、フォースゴースト体得への伏線
映画版だけではあまりに説明不足すぎる部分は殆ど、アナキンと最も精神的レベルでの繋がりの深いアソーカ・タノの初登場のこの序章となる劇場版アニメから繋がるアニメシリーズ版『クローン・ウォーズ』で補完がなされている。
特にシーズン6、7部はその内容の殆どでルーカス本人が肝入りで関わっており、オーダー66の陰謀の背後関係、フォースゴースト体得への秘密が明かされる、SWの全貌を理解する上での最重要部分であり、この部分を未見で未知のままではSWファンとしてのクオリティはかなり低い状態にあると言わざるを得ない。
ただし、この部分の登場人物は当然、1シーズン目から連なっているため、この箇所だけの視聴では細部に及ぶのは困難と思われ全話視聴が基本と思われる。
シリーズ全体を通してセミレギュラー的に重大なポジションにある、ダース・モールやアサージ・ベントレス、映画より先にアニメで登場済みのグリーバスなどについてが描かれ、“マンダロア”は特に後半にかけて重要な舞台となっている。
この映画に先立つアソーカ未登場のアニメ『クローン大戦』の二部作についても、グリーバスが咳き込む原因、アサージ登場とドゥークーとの関わり、3CPOの色が変わった理由、アナキンがマスターに昇格する部分等が含まれており、こちらも外すわけに行かない重要部分を内包しているからまた、混乱させられる事に。
また、『クローン・ウォーズ』シリーズのその後は『反乱者たち』とアニメ『バッド・バッチ』シリーズに受け継がれてストーリーは継続しており、それらが最新作『アソーカ・タノ』シリーズに直結してくるため、アニメシリーズ未見状態での視聴では、分からない部分が多すぎて堪能しきれない事必至でしょう。
因みに実写化での『アソーカ・タノ』のエピソード0に当たるのが『マンダロリアン』シーズン2のエピソード「ジェダイ」になっており、登場人物とストーリー繋がりです。
映画版のみ観るだけではアナキンのダークサイド転落までの内面的部分の描写が弱く、呆気なく(直情的に)思えるのが、互いに深い繋がりを感じていたアソーカが去った事でジェダイへの不信も増大した事は、その大きな動機として描かれている重要部分であり、『反乱者たち』での悲劇的な再会と、それによる“死”からアソーカを連れ戻した主人公エズラ・ブリッジャーがまた、SW史上の運命を左右する最重要人物となっていることも見逃せません。
「アニメ・シリーズだから….」のように侮らず、この劇場版から入って、あとのシリーズ全話視聴をお勧めしておきます。
追記
2023年9月6日、師弟アナキンとアソーカがついに再会を果たしました。
前述の、『マンダロリアン』チャプター16「救出」での衝撃的な若き日のルークの登場から連なる『ボバ・フェット』のチャプター6「砂漠から来た流れ者」で実現した、”アナキンの息子”と”アナキンの弟子(パダワン)”の実写対面という、シリーズの殆どを網羅しているファンでなければ分からないであろう、まさに夢に見たシーンはあまりに感動的でした。
そして今回ついに、悲劇的な別れから時を超えた、マスター・アナキンとパダワン・アソーカの再会の時を迎えました。
それも『反乱者たち』で「ベイダーに斬られる直前に”はざまの間”から出てきたエズラに救出され、アソーカが一命を取り留めた。」その場所であるかのような空間で。
『クローン・ウォーズ』劇場版&シリーズ~『反乱者たち』のアニメシリーズだったものから、『アソーカ・タノ』でリアルな実写としてそのシーンが眼前に映し出されたこと、やっとここまでたどり着いたということに感涙です。