劇場公開日 2008年8月9日

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「ベンチ入りの為の悲喜交々」ひゃくはち shawさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ベンチ入りの為の悲喜交々

2008年9月3日

泣ける

楽しい

幸せ

なんとくなオリンピック・野球の3位決定戦、日本×アメリカをぼけーっと観戦していたとある週末。「今日は何の映画みっかなー…」と映画サイトを物色していたところ、高校野球を題材にした「ひゃくはち」がとても面白そうだったので上映時間をチェックしてみると…。今から家を出るとちょうど上映に間に合いそうな時間だったのと、TVを見るとまさにその瞬間に落球エラーを目の当たりにし、これ以上試合をまともに見てらんない!という理由とが重なり、急遽家を出発することにした。あとで振り返ると、とてもいい判断だったな。

さて、映画の出来はというと。いやぁ、自分がスポ根青春映画が大好きだということを差し引いても、もう素晴らしいの一言に尽きましたね~。直球ど真ん中のストーリーではあるけど、テンポといい、演出といい、オチのつけ方といい、個人的には非の打ち所がない映画でした。

ともにレギュラーを目指し、苦楽を共にし、ライバルにもなり、でもお互いを気遣う友情。そんなスポ根映画ならではのコテコテな部分を話の軸に据えつつ、そんな中に、例えばタバコを吸いながら「喫煙を問題にしたら半分の高校が出場停止っすよね」なんてことを記者に嘯く主人公だったり、裏金問題を仄めかすような、野球部監督とプロ野球チームのスカウトとの接待シーンだったりと、今の高校野球が抱えてる問題点も皮肉っていたりして、ついついニヤリとしてしまったり。

あと、野球をテーマにした作り話って、弱小だったチームが主人公を中心に強くなっていく様を描くことが多いと思うけど、この作品の場合は甲子園出場が当たり前な強豪校で、ベンチ入りできるかどうかぎりぎりな実力を持つ主人公、という設定が斬新だったし、それがストーリーに対するリアリティを持たせていて、とても面白かった。そしてラストの爽快感。私は大笑いしながら大泣きしちゃいました。

高校野球に多少なりとも思い入れがあればさらに面白く鑑賞できるかもしれませんが、そうでなくてもスポ根ものが嫌いでなければかなり楽しめる映画だと思います。お勧め。

shaw