劇場公開日 2009年2月21日

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「がんばるウィル スミス」7つの贈り物 SAOSHIーTONYさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0がんばるウィル スミス

2011年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

単純

これまでエイリアンを退治する“いいひと”から息子のためにがんばる“いいひと”まで様々な“いいひと”を演じてきたウィル スミスが今回選んだのは自分を犠牲にしてでも他人の役に立ちたいという究極の“いいひと”でした。確かにそれは素晴らしいことなのかも知れませんが、私がこの作品のウィルの立場だったらまず、神経内科の先生に相談すると思います。

ある不幸な出来事から生きる希望を失った主人公の男が自らの命を絶つ前に7人の年齢や人種の異なる男女のためにある計画を企てます。

注目はウィル スミス以外のキャスト陣の演技。主人公とヒロインのラブストーリーそして、メッセージ性のあるストーリーです。特に心臓病を患っているヒロインのエミリー役のロザリオ ドーソンと全盲の中年男性を演じるウディ ハレルソンの演技がとてもよかったです。ウィル演じる主人公とエミリーのラブストーリーもどこか出来すぎと思いつつ、良く描かれていると思いました。

その一方で、この作品には大きな欠点があります。それは、ウィル スミス本人のカリスマ性です。例えば「21グラム」の頃のベネチオ デル・トロのような演技派俳優が主人公を演じたら、もう少し物語に対して感情移入できたのかもしれませんが、ウィル スミスのような大スターがこういった役を演じるとウィルがまた“いいひと”を演じているようにしか見えなくなり、結果物語に入り込めなくなってしまいます。おそらく、今回の役は今のウィルには荷が重すぎたのだと思います。

ただし、この物語には重要なメッセージが隠されているように感じました。これはあくまでも、私の解釈ですが、おそらく“自分の命を犠牲にするのは簡単だが、どうせなら、この位のことをしてからにしなさい!”と言いたいのではないでしょうか?まあ、自分の命を自ら絶とうという考え方自体が間違っているんですけどね・・・。

しかし、これでウィルの俳優人生が終わったわけではないので、今後の彼にも注目です。

SAOSHIーTONY