「結局、何を語りたいのか?」2012 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
結局、何を語りたいのか?
マヤの暦が、2012年12月21日で終わっているという事から、いま巷で囁かれている2012年地球滅亡説を映画にした作品。
いやぁ、事前にいろんな評論を聞いていたので覚悟していきましたが、酷いですね。かなり期待はずれ。公開初週末に全米で6千5百万ドル、全世界で2億2千5百万ドルを稼ぎ、3日間で製作費の2億ドルを回収したとは、とても信じられません。
まず、パニックを描きたいのか、あるいは、助け合う人類を描きたいのか、逆に人々のエゴを描きたいのか、焦点が全く定まっていません。その意味では、同じくローランド・エメリッヒが監督をした『インデペンデンス・デイ』の方が、一致団結して危機に立ち向かうと言うテーマが判りやすく描かれていますし、自然の驚異であれば『デイ・アフター・トゥモロー』の方が判りやすいです。いろいろと盛り込みすぎて全てが中途半端になり、かえって判り難くなってしまったんじゃないんでしょうかね。
とは言うものの、このところ世界の政治の世界で存在感を増している中国を物語の終盤の舞台に持ってきたのは、新しい試みで面白いと思いました。これまでの映画で、中国がこの様に舞台に現れたのは、非常にまれだと思います。これが、ハリウッドの世界観なのでしょうね。
と、注目すべきところは、残念ながらその位。地球の破滅が進行していく様子は良くわからないし、それに対して行われている対策も良くわからないし、人々の生活も良くわかりません。人類滅亡モノの映画は沢山ありますが、それらに共通していたドキドキ感が無いんですよね。全く残念。余り期待しないで、見に行くと良いと思います。
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