「娯楽作品として非の打ちどころがない」2012 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
娯楽作品として非の打ちどころがない
この手のディザスター・ムービーは、人類の滅亡があり得るものとして説得力を持つ必要がある。この作品では、古代マヤ文明の予言と、科学的な裏付けをもって、否定できない現実味を出した。しかも、タイトルと現実の2009に3年しかないタイミングでの公開が、実体験のような感覚に連れ込む絶妙さは心憎い。その予測される数年の余裕などあっという間で、人間のシミュレーションなど及ばない早さで滅亡へと突き進む展開が息を呑む。それでも、それぞれの立場で前へ進む人々のドラマがあるからこそ、最大の見せ場、これでもかという大きな天変地異のスペクタクル映像が活きるのだ。登場する人物が、一般人から大統領まで多彩で、それぞれが抱える問題も浮き彫りにして、158分という上映時間が無駄になっていない。脚本に無理がなく、突っ込みどころがありそうだが、それを許さない。地球内部で何が起こっているのか、説明の演出も上手い。
終盤は、誰が倒れ、誰が助かるのか、方舟の乗員と映画を観る我々が一丸となって固唾をのむ。娯楽作品として、非の打ちどころがない。
p.s. 地質学者のエイドリアンが、新世界初代大統領になることを望む。
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