劇場公開日 2009年4月4日

  • 予告編を見る

「クライマックス近くの銃撃戦が見もの」ザ・バンク 堕ちた巨像 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0クライマックス近くの銃撃戦が見もの

2009年4月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2008年9月のリーマンショック以降、世界経済は低迷しているところですが、世界的な銀行の裏の姿を描いたフィクション。荒唐無稽な感じもしますし、巨大金融機関の破綻が、これだけ世界中に重大な影響を与えている事もあり、「実は裏では・・・」と勘繰りたくなる感じもします。

クライヴ・オーウェンが、ややアウトロー的雰囲気もあるインターポール捜査官を見事に演じています。で、そのインターポール捜査官と協力してIBBCの裏の顔を暴こうとしているニューヨーク検事局の捜査官(本当は検事だと思うんだけど・・・)をナオミ・ワッツが演じています。

この映画は、俳優陣の演技力と言うところよりも、そのストーリーの複雑さと、映画のクライマックスのニューヨークのグッゲンハイム美術館での銃撃戦が見物です。映画なので、当然フィクションであって、壊れたように見えるものは映画の撮影用の物品の筈なのですが、それでもあれだけ派手に銃撃戦が行われ、館内の“展示品”や“調度品”、“美術館の建物”に“弾痕”が付いたりすると、「大丈夫かなぁ」と心配になってしまいます。

物語の最後は記しませんが、スッキリとする最後では有りませんとだけ書いておきます。出演者のセリフにもあるのですが、代わりはいくらでもいて、物事の本質的解決は困難・・・と言うより、無理なのかも。でも、エンドロールには、少しは正義の希望の火が見える感じもします。

映画での、ルクセンブルグの描き方が、世界的な金融市場における同国の評判を表している感じですね。実は、ルクセンブルグは、スイス以上に銀行は秘密主義と言う話もありますから。

勝手な評論家