「クライヴ+宇梶+ルー。」ザ・バンク 堕ちた巨像 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
クライヴ+宇梶+ルー。
なんだか重たそうな内容だったため、観る前に友人に、
「これは銀行にデカイ象が落ちてくる話なんだよぉぉ?」と
ふざけて言ってみたら、お前バカか?という顔をされた。
…だってさぁ。なんかヘンな副題なんだもんx
もちろんまったくふざけた話などではなく、真面目な話。
犯罪スキャンダルで破綻した実在の銀行BCCIがモデルだ。
でもそれほどの頭脳戦というわけでもなく?アクション系。
身体を張ったドンパチ戦も多く、とはいえ悪党は銀行家。
なのでもっぱら殺し屋が暗躍している。主人公は…普通^^;
もうちょっとカッコイイと良かったかも。顔?ということでは
なくて…彼自身がね。N・ワッツのがカッコ良かったしな^^;
どうでもいいけど私にはC・オーウェンが宇梶剛士に見える。
本作中でルーという愛称を聞いたら、ルー大柴にも見えた。
…彼って、けっこう巨顔だと思う…(ファンの方スイマセン)
さんざんけなしたところで^^;この映画の良い点は、
男女の色モノ系や、誰がどう消されたんだか分からない
映像がまったくなく、実に分かりやすいこと!に尽きる。
少し前の犯罪モノに多く観られた「詰ればドンパチ」という
しかもあの美術館で白昼堂々やらないだろ、普通!という
あり得ないシチュエーションを長時間にわたって見せつけ、
「巨悪にはチョイ悪で対抗」とばかり主人公もやるわやるわ、
銀行だけでなく主人公もある意味堕ちていくという二段構成。
やたら正義感を奮うあたりも、似合わないのが斬新な結果に。
冒頭から活躍してきた謎の殺し屋と意気投合するあたりなど、
最もあり得ない映像が、一番よく出来ていたような気がした。
私にはあの殺し屋の方がカッコ良く見えたなぁ^^;
暗躍銀行家陣にも見せ場を奮い、A・ミューラー=スタールの
落ち着いた演技など主役を食う巧さで素晴らしい。
主人公が悪党に見えて、悪党達が何だかいい人に見える…
という不思議な作品だった。
(善悪なんてまさに紙一重。あ、顔で判断はいけませんね^^;)