劇場公開日 2008年10月11日

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「回転をユルめて観得るもの。」僕らのミライへ逆回転 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0回転をユルめて観得るもの。

2008年10月25日

笑える

楽しい

幸せ

この作品を単なるおバカ映画だと期待して観に行くと、
多分…とんだ肩すかしを食わされるかもしれない。
確かにJ・ブラック&M・デフはバカだ!(役の中でね)
消えてしまったビデオ映像をリメイクする辺りまでは
けっこうグダグダした二人のやりとりが続き…まぁ、
大笑い出来なくても^^;失笑出来るシーンが数知れず。

このままユルい展開でいくのかな~と思っていたら、
映画作りに入っても、彼らは本当にユルかった^^;
ただそのユルさとテキトーさが「ゴーストバスターズ」
なんかにはなぜか合う。面白い。もっと見せてくれ!
たかが20分の素人リメイク作品に行列をつくる人間が
いるだけでも、私には面白い。ナンなんだ?こいつら。
だったらもっと、制作過程を詳しく見せて欲しいぞ~!
この際どうせなんだから、かのB・マーレイさんにも
声を掛けて、チョイ役で出てもらえば良かったのに~!
(「木」になるくらいだから頼めば出てくれそうだ^^;)
悶々とした想いの中、リメイク作がどんどん作られる…。

先日観た「アイアンマン」なんかもそうだったけど、
映画を作ることも、ある意味ヲタク心の極みだと思う。
大した予算もない苦しい映画作りだとしても、
創り上げることに天上の歓びを感じる人間達が集まり、
ある箇所にとことん拘って(でも金銭面で妥協しつつ)
監督ならではの個性溢れる作品が作られるのだから
もちろん完成した作品に愛着が湧かないハズがない。
だけど面白いとも決して限らない。…けどね^^;

この作品が中盤からグイグイ人の心を掴むのは、
そんな映画本来の楽しさを思い出させてくれるからだ。
あんなシーンこんなシーン、映画が好きでも嫌いでも、
なにか一つくらい心に残る想い出のシーンがあると思う。
それを焼き直すことで、懐かしいあの時代に帰れるのだ。
今作では街の人間たちをも作品に巻き込むので(爆)
彼らは容易にスター気分を味わえるワケだ。楽しいぞ。
だからこれは、マニア向けリメイク羅列作品ではない。

邦題もウマいな~と思った。すべてが「逆」回転する。
それでミライが見えてくるという、時代に逆いながら
感動を味わえる秘訣をユルくもじんわりと教えてくれる。
凝った映像もバカ高いギャラの俳優もオスカー監督も
なんにもなくったって、いい映画は確かにいい映画だ。
モノ作りの原点は、やはりオリジナリティなんだと思う。
そろそろハリウッドも、気付いていい頃だよねぇ。

映画そのものが大好き!な人ならきっと楽しめると思う。
ただいつもこういう作品を観て「ズルいよ~」と思うのは、
スクリーン側から観客を撮ること。あの一人一人の顔を
見てしまったらもうダメ、涙腺までもがユルユルだった…。

(古きをたずね新しきを知る。お婆ちゃんの知恵袋かな。)

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ハチコ