劇場公開日 2008年3月29日

「ガラスの靴は自らの手で勝ち取りにゆく」受験のシンデレラ septakaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ガラスの靴は自らの手で勝ち取りにゆく

2010年1月19日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

幸せ

イイ映画じゃないですか
『ドラゴン桜』TBSドラマより
公開時期が、後っていうのが辛かったかな・・・

◇   ◇

〈 受身になるな。人生は自分で選択する 〉
〈 受験勉強は“時間”でなく“量”でするのだ 〉
〈 予習より繰り返しの復習 〉
〈 人生は変えられる 〉

こんなにも、ココロに残ったセリフがありましたので
イイ映画には違いないのですが、粗探しをしながら、
観てしまうとダメな作品だと思います。

高校中退した女の子を2年で東大に合格させる

初期設定に無理がありますので、今作を観る心構えとして

これはフィクションだ
観客を楽しませる映画だ

そのように割り切って観て、楽しみきる作品でしょう。

◇   ◇

服装、メイク

寺島さんへの演出。
東大入試が近づくにつれ、自信を持ち
輝きだす変化が非常に上手く出せていました。

クリスマスプレゼントで貰った服を着て
センター試験終了後、先生が入院する病院へ行く

わかりやすくはあるのですが、
こういったさり気ない気遣いを
こちらもさり気なくスクリーンに映す撮影のしかた好きです。

クライマックスも、もう少し引っ張れば
もっとお客さんを、泣かすことができるのに
ためすぎず、サラッと行ってしまう。観る人によっては
物足りない、との感想が漏れそうですが、そんなカラッとした感じも好きです。

子供は一人娘
学費が払えず、
高校を中退させてしまう。
娘が働き生計を立てる貧しい母子家庭
働かず男と酒ばかり飲んだくれている母親
お金がなくなると娘が貯金した受験代にまで手をつける母親

『プライド』(08)
満島ひかり・キムラ緑子親子と設定が似ています。

だから、今作も昼ドラテイストになってもおかしくなかったんです。

ところが、徹底的にメロドラマっぽいのは排除しています。
その象徴が、東大受験当日の母親役を演じた浅田美代子さんかと。

このシーンを観て

監督は意図して安易な事件性を回避しているな
イコール、安易に観客の涙を誘いに来ていないな

そう確信できました。
イコール、単館系だったのもしょうがないかな、に結びつくわけですが(苦笑)

☆彡     ☆彡

ファンの寺島咲さん。

『櫻の園』(08)
『悲しいボーイフレンド』(09)
『モノクロームの少女』(09)

生意気なこと言ってごめんなさい。
その3作品の比べると今作の演技はあれっ?って感じ。

特に、涙を流して泣くシーン。
今なら、同じ泣くにしても、泣いているときの表情を
シーンに応じて変えられる、だけの実力がありますが、
今作に関しては、泣きかたが単調に見えてしまいました。

最後に、ファンだからこその辛口コメントを書いてしまいましたが、
監督の、こだわりを含めて満足できました。A-をつけさせていただきます(笑顔)

septaka