「映像ソフトの特典映像レベル」ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢 antさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5映像ソフトの特典映像レベル

2008年10月18日

泣ける

悲しい

興奮

まったくの門外漢からすると、本編(舞台)を楽しんで誰がオーディションを勝ち抜いたか知った上で見れば、これは楽しめるだろう。単体としてはまったく中心となるものを欠いた不親切な映像でしかない。「コーラスライン」という題材なのでオーディション・シーンは面白い。しかし本来ならオーディションから始まるのではなく、再演の製作発表場面から始まるべきだった。オーディションしている側の権威付けがされないからだ。本作ではそれを埋めるようにオリジナルの演出家マイケル・ベネットの音声や姿が挿入される。しかしこれは確かに貴重で「コーラスライン」の本質を突くものであっても反則技でしかない。

もちろん本作でも印象に残る場面は多々ある。会心の演技で審査員の心を掴む場面、またその逆に数ヶ月前に掴んだはずのコツをすっかり忘れて戸惑う場面、どちらも素晴らしい。しかし全体の印象は薄い、それは多くのダンサーを扱うことにしたせいか、個人の資質を浮かび上がる瞬間があまりないからだ。それ故にこちらが思い入れることが難しく、合格と聞いてもあまり心を動かされない。沖縄出身の女性ダンサーがいるのでその辺のことを考えながら見ると面白いかもしれない。

ant