「ONE♪」ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
ONE♪
'85年に製作された「コーラスライン」の映画版は何度も観た。
とても好きな作品の一つだ。
でも残念なことに肝心の舞台は一度も観たことがない^^;
今回のこの作品は、2006年の再演に向けて行われた8ヵ月間に
わたるオーディションの模様を描いたドキュメンタリーフィルムで、
応募者3000人の中からわずか19名へと絞り込まれていく様子を
丁寧に描いていると共に、コーラスライン誕生秘話を振り返る。
もともとこの話は舞台を夢見るダンサー達のオーディション風景が
描かれた話なので、今作で観る「それ」は実際の「それ」と通じる
ところがある。みんな真剣である。誰が選ばれてもおかしくはない。
一流のダンサーたちがこの舞台に立つため過酷なオーディションに
トライするのである。いや~すごく見応えがあった。
観ていてこちらもまるで審査員になった気分になるのだが、
なんというか…ここまでのレベルになるともう、これは運だな。と
しか思えなくなる。第一次審査の時に「素晴らしい」演技を
披露した者が、第二次審査では「どうしようもない」演技を見せる。
明らかにメンタルな部分が影響しているのが分かるが、
それに左右されるようでは、一流の舞台には上がれないのだろう。
どんな最高実力を兼ね備えたものでも、それを発揮できなければ
自分の見せ場を作りだすことは出来ない。過酷な世界だ…(T_T)
こういう舞台裏を知ると、どれだけの人間が「それ」に関わったか
分かるので、例えばトニー賞などで「○○賞」を授与されることが
どれだけ名誉なことなのかが分かったりして、勉強にもなる。
でも選出は大概において演出家の「好み」や「相性」も影響する。
唯一日本人ダンサーのユカがコニー役に選ばれるのかどうか!?
が最後まで気にかかるところだったのだが…果たして?
(初代コニー役の審査員B・リーの評価が芳しくなかったので^^;)
審査員を唸らせ、泣かせ、一発OKで役を勝ち取る者。
絶対彼女だと推されていたのに、あっけなく敗れてしまう者。
いくら適材適所とはいえ、すべてを兼ね備えたロボットではない
生身の人間達が、苦しみ抜いて手にしたチケットだからこそ、
観ているこちらを感動させることができるのだ。と改めて感じる。
涙は心の汗だ。たっぷり流そう。^^;
(ラストのONE♪いつ聴いても本当に素晴らしい。TDSでも泣いた)