劇場公開日 2009年2月7日

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「じんわり効いてくる・・・」ベンジャミン・バトン 数奇な人生 ゆきだるまさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5じんわり効いてくる・・・

2009年1月29日

泣ける

悲しい

老人の体で生まれ、年々若返っていく一人の男…という
現実的には全く有り得ない設定のストーリーで
冷静に考えれば突っ込みどころ満載なのかもしれないけれど、
人の愛と生と死という非常に普遍的なテーマを描いた作品で
そんなことは気にならないくらい入り込んでしましました。

観る前から(予告を観た時点で)泣くだろうなぁ、ってことは
予想できてましたが、やっぱり泣いてました…。
だって、最愛の人とすれ違っていくって…悲しすぎます。
特に女性ならきっと尚更、歳を取る一方の自分に、
若返っていく彼…って 辛いですよね。
通じあえた、と思ったらやっぱり二人の時間のベクトルは
逆を向いている訳で。とても切ないです。

主演のブラッド・ピットとケイト・ブランシェットの演技が
自然だからこそ、この映画に説得力が生まれたんだろうと思います。
あと、暖かく守ってくれたお母さんが素敵でした。

観ている間より、観終わった後の帰り道で色々思い出して、
自分はこれから周りの人の死をいくつ経験していくんだろう…
とかそんなことを考えてしまい、なんだかボディブローみたいに
じわじわと悲しい気持ちになって来ました…。

それぞれの年代で色々と考えさせられる映画ではないでしょうか。
もう少し歳を重ねて、例えば身近な人の死を経験したり、
自分の死についてもっとリアルに考えるようになってから観ると、
もっと違った感じ方をするだろうし、感慨深いものがあるかも。

最後に付け足すと、試写会なのに立ち見まで出ていたこと。
これには驚きでした。注目度の高さが伺えます。
色んな年代の人に観てもらいたい映画です。

ゆきだるま