劇場公開日 2008年9月27日

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「イマイチ響いてこない」最後の初恋 masakoさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5イマイチ響いてこない

2008年10月16日

大人の恋の物語ではあるのですが、恋愛というよりも「人が人を変える」、そんな姿を描いています。またポールはとっくに離婚している状態で、エイドリアンも夫に愛人を作られて別居中の身、なので”不倫”なわけではないんですよ。

ただね、エイドリアンが客のポールに対してあまりにも喋りすぎなのが気になって仕方なかったんですよ。普通客にあんなべらべら喋るか?私だったら宿の人にあんな話された正直ウザくて仕方ない。

エイドリアンはかなり複雑な心境で自分がどうすればいいのかがわからない。夫の裏切り行為は許せない。だけど子どもたちは父親を必要としている。夫は戻りたいと言っている、私はどうすればいいの?状態なわけですよ。そしてそんな自分の状況を客であるポールにべらべらしゃべってるんですよね~。

一方ポールは自分がなぜここに来たのかなどは話しません。だけどエイドリアンがポールの部屋にあるもの勝手に見ちゃうわけですよ。ってうかそれちょっとどうかと思うよ、エイドリアン。

ポールは自分が担当した手術で亡くなってしまった遺族に呼ばれて会いにきていたわけなのですが、彼ははぜ呼ばれたのかもわからなければ、自分に落ち度があったとも思ってない。基本的に上から目線だからその遺族にも弁明するだけできちんとした話ができない。そんな姿を見たエイドリアンがポールを思いっきり怒るんですよ。客なのに。でもそれがきっかけで二人はお互いに本音を言い合い、お互いのことを指摘し合い、そしてその後訪れた嵐も手伝っていい感じに・・・。

自分のことはわからないけれども、人のことはよくわかる。自分が見つけられなかった答えを相手に教えてもらう。自分にはなかった考えを教えてもらう。

人が人を成長させる。
人が人を変える。
人が人を癒す。

二人は恋愛関係に発展はしますが、それ以前に人として認め合い、尊敬しあえる部分があったのではないかな、と思えました。こういう関係は素敵ですね。

ただ二人の気持ちが一つになるまでがあまり描かれていなかったので、ちょっと唐突な感じはありましたけど。

ポールの息子がジェームズ・フランコなのですが、出番少ないです。ジェームズだったらもうちょっと出番作ってあげてもよかったのに、と思っちゃいました。そのジェームズの台詞に「あなたが父を変えて返してくれた」というのがあってとても素敵だったのですが、エイドリアンがポールを変えなければあんなこともなかっただろうにと思うと皮肉だもんだなぁと思いました。

結構素敵といえば素敵なお話ではあったのですが、どうにも心に響いてくるものがあまりなくて、無難な映画という印象を受けてしまいました。私よりもうちょっと上の年代向けの映画だったのかも。もしかしたら既婚者の人の方が何か感じるものがあるのかもしれないな、なんて思いました。

masako