「「消防は人の命を救う仕事」」252 生存者あり talkieさんの映画レビュー(感想・評価)
「消防は人の命を救う仕事」
<映画のことば>
「レスキューになんか…レスキューになんかならなければよかった。」
「そのレスキューの助けを待っているんだろうが、俺達は。」
まだ評論子が子供時分の頃の話ですが、テレビ番組のインタビューに応えた消防士が、消防という仕事は「人の命を助ける良い仕事」だと答えていたことを、今でもよく覚えています。
まさに「その通り」を描いたというのが、本作だったと思います。
折しも、令和7年1月発生の埼玉県八潮市の道路陥没現場では、行方不明の転落車輌運転者の懸命な救助活動が消防関係者によって続く中、その職務の「重み」には、多言を要しないとも思います。
本作も、佳作という評価で間違いがないと、評論子は思います。
<映画のことば>
「泡えもんを売りまくって、あんたの店で豪遊するから。」
「ウチの店、高いよ。」
(追記)
その実、危険な職場であることも、間違いがないでしょう。
評論子がまだ小学生の頃、ある日の夕方、ローカルさんになってもらっていた(=アマチュア無線で、よく交信相手になってもらっていた)地元の消防士の方と、交信を終わり、お互いにファイナルを送る(通信の終了を確認する)ときに「夜勤でこれから出勤する」とおっしゃっていました。
そのあとの評論子はといえば、夕食をとって、テレビを見て、お風呂に入って寝床に入るという、普段と少しも変わりのない生活をしましたけれども。
しかし、翌朝の新聞を読んで、飛び上がりそうになるくらい、驚いたことを、今でもよく覚えています。
なんと、前の日に話をしたばかりの件(くだん)のローカルさんの消防士さんが、前夜の出動中に怪我をしたとのこと。
その日は、学校が終わるのも待ち遠しく、下校後は、まっすく病院にお見舞いに上がったことは、いうまでもありません。
「板子一枚下は地獄」とは、船で、海の上で働く漁師さんのことですけれども。
消防士という職業も、常に危険の伴う職業であるのことも、また間違いはないことだろうとも思います。
(追記)
<映画のことば>
レスキューは、全員が無事に戻ってきて、初めて成功なんだ。
これは、ある意味で「至言」だと思います。
消防士という職業が、前記のとおり、常に危険と「隣り合わせ」の職業であってみれば。
実は、赤十字のボランティア団体に籍を置いている評論子も、奉仕団ではまったく同じことを教えられています。
奉仕は奉仕なのですけれども。
しかし、奉仕する側の安全が確保されてこその奉仕ということです。
赤十字奉仕団の奉仕と救助隊の人命救助-。
同じく災害対応に派遣されたとしても、その最前線を担うレスキューの人々などと、いわゆるバックヤードの業務に配置されることが分かっているボランティアの奉仕団とでは、その任務の内容の重さ、危険さという点で、直ちに同列に論ずることはできないでしょうけれども。
しかし、通底する根本精神には、そうは大きな違いはないのだろうとも思います。
(追記)
それにしても、可愛かったですね、大森絢音ちゃんは。
映画.comサイトの情報では1999年生まれということですから、2024年の今は、御歳25歳ということでしょうか。
同じく映画.comの情報だと、9年前(2015年)を最後に、映画には出ていないようですけれども。
是非ともスクリーンで再会したい女優さんのおひとりでもあったと思います。
(追記)
「映画に出ていた」といえば…。
別作品『ローレライ』に、超能力を発揮するナゾの少女として出演していた香椎由宇を、久しぶりにスクリーンで見ました。
戦争モノのSF映画からヒューマンドラマへ。
なるほど、終戦後は、その超能力を買われて、終戦によって解体された海軍から気象庁の技官に転職していたという成り行きでしょうか。(笑)