「愛欲の果てに」ブーリン家の姉妹 kakerikoさんの映画レビュー(感想・評価)
愛欲の果てに
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いつの時代にも理不尽で痛々しい血の歴史はあるものだと思いますが、今作品の人々、特にブーリン家のたどった運命も間違いなくそれにあてはまると思います。
自分勝手で権力の名の下に次々とばっさりと人を斬り捨てる君主が一番の悪かとも思いましたが、彼の妾に実娘をさせて、一族の繁栄を手にしようとした父親や親戚。当時はそんなことがざらだったのかもしれませんが、アンとメアリー姉妹も間違いなく被害者です。
只2人が違ったのは、姉のアンは自らの地位を得るために他人を陥れるという罪を犯し、結局は世継ぎを生めず、自分自身が正気を失うほどに憔悴し、とうとう最後は…。妹のメアリーはアンとは対照的で誰に対してでも誠実であり続けようとしました。裏切られた王や姉に対しても。故に、ラストで姉の残したエリザベスを育て上げている様には本当に救われた気がします。彼女がこのすさんだ展開の中で唯一の光だと感じました。
歴史は渦中にいると何も見えないもの。恐ろしいですね。
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