クライマーズ・ハイのレビュー・感想・評価
全88件中、61~80件目を表示
惜しいかな
自ブログより抜粋で。
--
仕事に燃える男たち(女性もいるが)の群像ドラマとして、良くまとめられてはいる。
が、どうもエピソードを詰め込みすぎで消化不良を起こした。
堤真一演じる悠木の山仲間・安西(高嶋政宏)や元社長秘書の美波(野波麻帆)とか、悠木の生い立ちに関わるエピソードとか、それぞれなんとなく絡んでくるが、歴史上の大事故という濃い題材の前では霞んでしまって蛇足に見えてしまう。
悠木が搭乗者リストの中から子どもの名前を見つけて心を痛めるシーンがあるが、それが自身の子どもが事故に巻き込まれたかのように見えてしまって観客を混乱させる。
これも、やりたいことを詰め込むことに一生懸命になりすぎて前後を整理できていない演出ミス。言うなれば、演出家としての“クライマーズ・ハイ”ではないか。
原作がどうのこうのではなく
よく、映画を原作と比べてどうのこうのと評論する人がいますが、
映画は映画、原作は原作、つまり、活字の小説です。
おじさんは、映画を見ているのであって、決して、小説を読んでいるわけではありませんので、まったく、別のものだと考えています。
小説も映画も、現実では起こりえない場面が必ずありますが、ハリウッドの街中を高級外車でカーチェイスするのは、おじさんにとっては、非現実的とは思わず、映画の中のお話として、すんなり受け入れられるんですよね。
でも、新橋だの六本木などでやられるとそれはもう嘘丸出しに感じでしまう。
この映画は、現実に起こった航空機事故を題材としていますし、地方新聞と中央の新聞の力関係や社内でのゴタゴタなどは、割と感情移入しやすく、共感を覚えるところがありました。
そういった意味で、この映画は面白かったですよ。
監督の構想力が試された作品だったと思うのですが
御巣鷹山にジャンボ機が墜ちた、忘れられない衝撃的な事件で有る。
地元新聞社は地元の意地をかけてこの事件の真相に迫る。
この事件の全権を任されたのは悠木(ゆうき)、
彼には駆け出し記者の頃に地元の大事件、浅間山荘事件を
全国紙に出し抜かれたというトラウマを抱えていた。
自分のエリアで起きた事件は地元新聞が一番だという紙面を作りたい、
スクープで他紙を出し抜きたいという思いで紙面作りを進める。
そんな熱意のもとに、同じ思いのもの、
抜け駆けしようとするもの、
足を引っ張るものが紙面作りに参加する。
兎に角、熱に浮かされたような一週間が始まる。
こんな風にまとめてくれれば良いものを、
主人公と病気で倒れてしまった友人との関係やら、
主人公と家族との関係、そんなものも、短い時間でさしこむものだから、
色んなものがてんこもりになって、
消化不良を起こしてしまった。
この作品は某公共放送でもドラマ化された。
そのドラマは連続物になったほどの長編、
それを限られた二時間という制約の中で仕上げるとするならば
焦点をキッチリ絞った方が良かったと思う。
実にもったいない出来になっている。
割りきって一週間の記者魂を賭けた物語にした方が
シンブルでわかりやすく、感動的なものになっていたのでは?
これこそ、監督の構想力が問われる種類の作品なのだろう。
みんなの団結力
飛行機事故を一つのテーマとしそれを世間に知らせる伝える新聞社の深い人間性の話。
しかもあの最大の飛行機事故1985年の日航機墜落事故をテーマにしてるだけあって物語的にもかなり深い。
堤真一の1人舞台になっていないどこが良く、脇役人達の団結力がこの作品の質を上げている。
1985年をわざとらしく演出してないとこもさらに良く、テーマに沿った演出、行動も観ているものを引き寄せている。
残念なのは山崎努演じる社長の存在、行動。この作品にはいらないんじゃないかと思う。ラストも少し残念。
堤真一は相変わらず上手いね。
「たぶん」「おそらく」は排除しろ
映画「クライマーズ・ハイ」(原田眞人監督)から。
新聞記者って、たしかに私の憧れの職業のひとつだった。
しかし、憧れだけで就いてはいけない職業だということも知っている。
時間に追われた仕事であり、迅速性だけでなく、
もちろん大前提の正確性も求められる職業であり、
情報の裏(事実確認)を取ることの大切さを
この作品を通して、あらためて教えていただいた気がする。
その典型的な表現が、記者たちから続々と入ってくる情報に
「『たぶん』『おそらく』は排除しろ!」と一喝したシーン。
さらに、記事を紙面に掲載する直前にも
「チェック・ダブルチェック」と口癖のように呟くシーン。
何気なく毎朝、毎夕読んでいる新聞は、こんなに苦労して作っていることを、
そして、現場の記者から自宅へ配達する部署まで、本当に多くの人たちが
「新聞」というメディアには関わっていることも知って欲しい。
明日から、もっと丁寧に新聞を読もう、と感じる作品でもあった。
心ゆさぶられ
熱いです。
新聞記者がこんな感じで仕事をしてきた(している?)んだなぁ~。と新聞社に対する見方が少し変化しました。
毎日真実の情報を伝え続けるって、すごい。
堤真一さんの目がかっこいいです。真剣さ、不安、無念がしっかり伝わってきました。感情移入しすぎる位で、何度も目頭が熱くなるの感じました。
途中途中にでてくる登山シーンが追い討ちをかけるようでした。
自分の人生、何を大事に生きていくか考えさせられます。
ただ、遅いなんて事はないのだろうと希望もみられました。
堺雅人さんも不思議な魅力がたっぷりでした。
息を殺して見入る
脚本も構成も映像も、出演者もすべてすばらしかった。「すばらしい」という平凡な表現ではものたりないが、適切な言葉が浮かんでこない。
主演の堤真一や記者の堺雅人だけでなく、編集部、営業部それぞれの人が生き生きと描かれていて、まるで群馬に存在しているよう。
新聞社だって善意とか誠意だけでは成り立っていなくて、妬みとか信念や気骨がぶつかりながら動いている。それはきっと職種が違っていても同じで、だけれどもそのなかで、いかに自分の正義を通すか。それが描かれていた。
女として、鳥肌が立ったのは悠木の母親の登場のさせ方。母親を否定しない描写に感動した。
新聞記者たち
1985年に起きた日航ジャンボ機墜落事故。この悲惨な事故を追った群馬県の地方紙の記者たちを描いた物語だ。原作では地元紙と全国紙、中堅の年齢でありながら遊軍記者である主人公など、それぞれの「立ち位置」が鮮明に描かれ、物語に深みをもたらしている。しかし映画では社内のさまざまな軋轢を中心とした人間関係がメインに据えられ、原作を読んでいる身としては物足りなさを感じた。映画である以上、書籍のように言葉を尽くして状況説明ができないのは仕方がない。その分、映画では役者の渾身の演技が、それをカバーし、リアリティを生み出した。厭世観に支配されながらも事故の全権デスクとなり変わっていく主人公を演じた堤真一。ひたむきに事件を追う堺雅人。過去にとらわれつつも、自分の仕事にプライドを持つ遠藤憲一。新聞記者らしい角がある男たちを見事に演じ、映画の「時間の制約があるというハンデ」を補っている。
新聞社の人間関係
個人的には大変よかったと思います。
これは御巣鷹山の日航空墜落事故を題材にしているマスコミ人の話です。
他社とのスクープ合戦。
社内では、上司からの圧力や他部署との意地の張り合いといった仕事の難しさ、理不尽さ。理想だけでは通らない。それを通すにはいろんな人と張り合っていかなくてはならない。
そんな人間関係がよく描かれてたと思います。
新聞記者だから伝えたいことがある。
でも新聞記者だからライバル紙よりも商売として勝たなくてはいけない。
それぞれ一物抱えた人間達が自分のプライドを守りながらひとつのものを作り上げていく。新聞社の仕事がリアルに伺える映画でした。
確かに事故のことや親子のことなど触れられていないシーンはありましたが、それは巧妙に空白にされているだけで十分理解できます。
それ以上にこの映画の良い点は報道のあり方やそのリアルな仕事ぶりを考えさせるところだと思います。
私はその仕事ぶりに興味を持っていて、日航空の墜落事故は単なるモチーフと考えながら映画館に行ったので、観終わったときもの凄く胸が熱くなりました。
すっきりしない
多分原作はいいんだろうなっと思いました。
描かれてない部分が多く、なんで?と思う箇所がいくつもありました。
宣伝では、御巣鷹山の事がメインのようになっていますが、
実際は新聞編集部の話です。
もちろん御巣鷹山の事を取材してるのですが・・・御巣鷹山の話を期待して行くと失敗しそうですね・・・。
予想以上に詰まらなかった
横山ファンで、原作に感動し、NHKのドラマのできの素晴らしさに感心した者です。
テレビのCMに流れる予告編の役者の顔ぶれを見て、NHKのドラマには勝てないだろうなと予想していました。
そして、見た感想です。予想以上にひどかった。
これは、役者のせいでなく、監督のせいであろう。
社長のエピソードなど脚本の改悪で、よく原作者が、許可したなと思う。
原作、NHKのドラマを見たのは何年も前なので、詳細は覚えていないが、映画を見終わって、何か原作と違うような気がしていたが、この映画レビューの他のコメントを見て思い出しました。悠木の子どもとのエピソードや、投書のエピソードなどがばっさり切られているのです。なぜ、切ったのか理解に苦しむ。
この映画をよく評価している方々、是非、原作に忠実で、素晴らしい役者をそろえ演出したNHKドラマのDVDを見て下さいと言いたい。
チェック、チェック、ダブルチェック
観てる自分が完全に「クライマーズ・ハイ」。夢中になっちゃうねー。原作も読んだことがあるけれど、編集現場の臨場感というものは、映像でしか伝わらないのかもしれない。題字と音楽、オープニングとエンディングは、邦画大作にありがちな野暮ったいカンジ。ちょっと残念だけれど、そこさえ目をつぶれば出来栄えは◎。
大惨事・・・その裏側でも
原作を読んでからの観賞でした。
長編の原作をどう映画にするのか、とても興味津々でした。
映画特有のオリジナル部分に変更してる割りに、違うかたちではあったが、なかなか重要なセリフは原作と忠実だった様な気がしますね^^
それに個人的に堤真一と堺雅人が大好きなので、観る前から評価はアップでした♪
ただ、セリフが(特に高嶋さんの)聞き取りづらいシーンが多々あり、そこがとっても残念かなぁ~^^;しかも、北関東地方の群馬県だからって高嶋さん、なまりすぎっ!!実際の群馬県人はこんなになまってないってば(笑)
大久保事件以来、たいした事件・事故もなく、淡々と日々を送っていた地方新聞記者に、突然襲いかかったジャンボ機の墜落事故!新聞記者が無線を持っていないっていうところが、今までかなりのんきに過ごしてきたかを物語ってる感じ・・・
あの事故の裏で、こんな緊迫した壮絶な闘いがあったのか!?事実、どこの新聞社も当時スクープ争いで様々な闘いがあったんだろ~な・・・そう思いながら観てました。
それにしても、ラスト!意外かも・・・
あのラストにするのなら、もっと悠木の親子関係を掘り下げても良かったのでは???
ロケ地は、私の知ってる場所がおてんこもり^^
去年の夏、堤さんらが1ヶ月間も前橋市に缶詰状態で滞在してたとは!!!なぁ~んだぁ(^^ゞもっと早くに知ってれば、ナマ堤さん逢えたかもっ(笑)♪
この映画を観て、毎日何気なく読んでる新聞紙に改めて愛着と敬意を表します^^
いい映画でした(^o^)
7月10日109シネマズ高崎にて観賞
俳優陣vs.演出
1985年、群馬県御巣鷹山で起きた日航機墜落事故。
今でも当時のニュース映像はしっかり記憶に残っている。
本当にものすごい事故だった…。
生存者が四名いたことが奇跡のように感じられたほど。
でも、この事故についてを描いた作品なのかというと…。
確かにそれをメインに扱ってはいるのだけれど、
あくまで舞台は北関東新聞社の内幕で、記者が主人公。
またもや原作は未読なので^^;比べようがないけれど、
既読の方の感想を読むと、私が「?」だった部分が一掃。
…やはり、相当部分が抜け落ちてしまっているようだ。
まず冒頭からして、チト分かりづらい。
現在と過去を並行させるつくりは珍しくないんだけど、
リアルに現実味を出そうとしたのか、すっ飛びまくり!?
息子との関係もそこそこに、突然同僚はクモ膜下で倒れ、
墜落事故がメインとなったら、また飛んで父親との関係、
部下との繋がりも描き出さないまま、記者達は山に入り、
ついには記事が間に合わない。そうなると今度は
「日赤大久保、日赤大久保」と念仏のように理由を唱える。
…うーん。この社の人間関係は原作を読んだ方が良さそう。
ある程度の年齢で^^;事件の背後が分かる世代ならいいが、
そうでない世代には、とっても不親切。
原田眞人監督の演出は、リアルな臨場感に長けているけど
人間の繋がりを丹念に描かないのが多いから、淡調で希薄。
どうしてもっと掘り下げて描かないんだろうか(常に謎…)
ドキュメンタリー狙いなのか?いや~それとも違うような。
事故機のことについても、社内での確執についても、
父と息子の関係についても、事実→回想→終了の繰返しで、
どんなに役者がアツく演じてくれていても、観ている側は、
あの人怒ってるけど、何で?みたいな感覚になってしまう。
泣かせてくれ~とか、感動的にしてくれ!というのではなく、
もっと丁寧に「人間」を描きましょうよ…というのかなぁ。
それとなんだか、テーマが定まっていなかった感もあります。
しかし、ほぼ出ずっぱり!で、大熱演の堤真一をはじめ、
そうそうたるメンバーが、とてもいい演技を見せているので
その演技合戦は観応え十分!!けっこうドキくドキハラハラ。
ここでもまた、それぞれの俳優に焦点を当てては、また次。
という感じが続くので^^;ちょっとイライラしましたけどね。。
観終えてみると、主人公が山(父親)を一つ乗り越えて、
自身が父親になれたことで、仕事麻痺していた感覚から脱し、
関係修復に乗り出す…という、自己再発見物語になっている。
いや~おそらく、原作は素晴らしいのだろうなと思いました。
事故の犠牲者やご遺族の方々に、どう映る作品なんだろう。
(事故の教訓、熱いブンヤ魂、遠憲のキレ度は抜群☆でした)
目を覆いたくなるテキトーな脚本。
1985年、乗客乗員524人を乗せた日航ジャンボ機が群馬県の御巣鷹山に墜落。この大事故の報道で全権デスクを任された群馬の地方新聞社の記者を主人公に、さまざまな人間模様を描くドラマだ。映画は2時間25分の長尺だが、どうでもいいラストの付けたしを除いて、退屈する暇もなく一気に見せる。しかし、不思議にもこの作品、訴えかけてくるものがほとんど何もないばかりか、これといって印象に残るシーンもない。舞台となる地方新聞社の編集の大部屋のセットはきっちりと造られているにもかかわらず、スクリーンからは箱庭のような編集フロアしか見えてこないのだ。何故なのだろうか。考えつつ、原作を読んでみて納得した。
この脚本は、映画の脚本ではないということだ。原作の重要なシテュエイションや人間描写をばっさりと切り落とし、時系列も関係なくご都合主義の如く人物の行動を合体させている。結果、テレビのトレンディドラマ風のローラーコースタードラマが出来上がったというわけだ。見終えて何も残らないのは当然のこと。台詞が聞き取りにくいとかなんとかいう以前の問題である。
最初に登場する販売部の安西(高島政宏)だが、彼の人物像は映画ではほとんど浮かび上がってこない。そのため、原作同様に何度も挿入される、主人公悠木(堤真一)と安西の息子燐太郎(小沢征悦)の登攀シーンがほとんど意味を失い浮いてしまっている。悠木との関係が何も知らされないからだ。映画での安西の存在の意味は、社長のセクハラの始末役であり、これは原作と全く違う。原作では、映画にはない専務の存在があり、会社の経営を巡る社長と専務の確執の中に、安西は巻き込まれている。映画ではこのシテュエイションをばっさり切り落としたため、社長(山崎努)は下品さだけが目立つ薄っぺらい人物として描かれる。
悠木の家庭も同様で、妻や娘の存在が切り落とされたため、人物自体の奥行きがなくなっている。登攀シーンのラストで突然息子が打ったハーケンが登場しても、いったい何のことやら。また、部下を怒鳴りつけて取り返しのつかないことになった過去さえなくなり、それが御巣鷹山に登った記者神沢にすり替えられているのだが、この部分はどうしようもない脚本の中でも、あまりに酷すぎる。カーッと頭に血が上って、社を走り出て車に轢かれるなんざ、リアリズムもクソもなく、新聞記者への冒涜だといってもいいだろう。これをそのまま演出する監督も監督なのだが。
こうして書き出せばきりがないが、ことほどさように映画全体に重みがない。編集部の人間同士の確執にも全く深みが感じられない。そんな中で、どうにか新聞記者の雰囲気を演じて見せてくれたのは社会部長を演じた遠藤憲一くらいか。常に格好良く胸を張って歩く堤真一は、ほとんど新聞記者には見えなかったし、いつもポロシャツ(1985年当時ならまだインだろう)といういでたちもかなり気になった。ビリー・ワイルダーの映画からもらったというドラマのキーを握る台詞「チェック、ダブルチェック」も浮きまくり、全権デスクとしての悠木のギリギリの決断も軽く流れてしまう。映研学生の自主映画じゃあるまいし、あまりに稚拙すぎてお話にならない。ワイルダーも天国で失笑していることだろう。
ラストに付けたしたニュージーランドのシーンには正直しらけてしまった。もちろん原作にはなく、製作予算が余ったから海外にでも行きましょうかといった感さえあるどうでもいいシーンだ。原作では、ラスト近くに編集部屋を舞台に、1通の投書の掲載を巡って、悠木が社長に追い詰められる場面があり、ここではからずも2度にわたり私は涙を流した。しかし、映画では一度も涙を流すことはなかった。たしかに2時間25分を一気に見せるものの、中身はまるで砂上の楼閣そのもの。クール替わりの時期に放映するスペシャルドラマならまだしも、劇場で公開するほどの作品ではない。創作という意味において、原田真人の映画に対するアプローチには大いに疑問を感じる。
緊張と興奮と,少しの落胆
各部署との対立を挿みながら,
山登りのように着実に歩を進める紙面作りの切磋琢磨に,
クライマーズハイを感じた。
スクープのくだりに興奮。
ドキュメンタリー風の気が抜けない演出が,
緊張感を産み,画面を見入らせる。
演技と感じさせない熱演を見せる
全ての俳優が素晴らしかった。
ただ,未曾有の大惨事の背景を支える絆のドラマ,
安西との友情,
悠木親子のドラマが中途半端。
現代パートが蛇足気味だし,
人命の尊さがいまいち伝わってこなくて残念。
いい映画ですが、原作の深みが少ない。
『半落ち』などの警察小説で有名な横山秀夫が原作。1985年8月12日のJAL123便墜落事故をベースに、事故現場となった地方新聞社の記者たちの1週間が熱く描かれています。
あのJAL123便墜落事故の事は、良く覚えています。夜中までテレビにかじりついて報道を見ていました。夏休みだったから良かったですが、翌日は完全に寝不足でした。坂本九さんや、阪神タイガースの球団社長など著名人が多数犠牲になったことも、事故の衝撃に輪を掛けましたね。あの年、阪神タイガースは発奮して、優勝しました。
ベースとなっている事故は実際の事故ですが、その舞台の新聞社は架空の地方新聞社です。しかし、実際に新聞記者であった原作者の経験が物語の中に生かされていることは想像に難くありません。その経験があるからこそ、事故による現場の混乱の臨場感と、新聞を作っていく上での困難さと、ワンマン社長・地方紙と言う事から覚える挫折感を上手く描くことが出来たのでしょう。
現在と22年前に時間が動いて進んでいきます。現在のシーンでの堤真一はそれなりの歳の設定のはずなんですが、それほどの歳である事を感じません。設定ミスなのか、どうなのか? もう少し何とかしたほうが、分かりやすかったかもしれません。
山崎務が、ワンマン&セクハラ社長を上手く演じています。この人は、こう言う役は上手いですね。でも、劇中のセリフにもありましたが、22年前に「セクハラ」と言う言葉は、日本に存在していましたっけ? 時代考証的に、ちょっとその辺りに疑問を感じました。
悠木と安西の絡みの描き方が、ほとんど無かった事が疑問。あの程度の描き方だったら、かえって混乱を与えてしまったのではないでしょうか? もっとも、悠木と安西の関係は、現在の悠木のシーンに関係してくるので、完全に無くすと言う訳にも行かないかもしれませんが、この辺りの背景は原作だときちんと描かれているので、時間の限られている映画の難しさなのかもしれません。
事故現場のシーンは、あの衝撃的な事故の模様・現場を多くの人がテレビ報道などで見ているので困難さが伴ったと思いますが、”JAL”の文字の入った翼など印象的な背景も入れてあり、上手く再現できていると思います。生存者救出の模様は、自衛隊ヘリに吊り上げられていくシーンの記憶が数多くの人にあると思いますが、それを髣髴させる描き方はされていますが、実際に要救護者は映像には入っていません。
人間模様が複雑に絡み合ったドラマなので、約二時間と言う時間では、完全には描ききれなかった感じがします。JAL123便墜落事故の事を描きたいのか、地方新聞社の悲哀を描きたいのか、主人公の家族模様を描きたかったのか、少し、消化不良です。いい話だと思うのに、その辺りが残念。
早くも今年のNo.1!
日航機墜落事故からの1週間、新聞社内ではこんなことが起きていたんだ、とびっくりしました。
スクープをめぐる葛藤、社内での上司や部下との衝突、働くことの意義・・・。
まるでハリウッド映画のような重厚感とスピード感、そして日本を代表する俳優さんの迫真に迫る演技に、手に汗握りっぱなしの2時間半でした!!
2時間25分!!
2時間25分が短く感じた。
航路でもない自分のナワバリにジャンボが落ちてきてしまった地方新聞社の話。
墜落した山に上がる記者が、携帯どころか、無線すら持っていないことに驚いた。
登山のシーンにひ~ってなったりして、終わったときにはとても疲れたけれど、荷応えのある映画。
熱い男たちの真夏の戦い
とても見たかった映画です
いまから23年前の日航機墜落事故で騒ぎになった
群馬の新聞記者たちの苦悩の戦いが描かれています
事件当時、私はまだ子供でしたがJALで働いている
親戚がいたためこの事件の事は鮮明に覚えいてます
評価が真っ二つに分かれていますが私は良かった!
日航機墜落の事件をきっかけに地元新聞記者の奮闘
が伝わってくる、昔の栄光にしがみついている無能
上司の元で有能で人望厚い悠木(堤真一)が1人で
上に噛みつき、さらには社長にまで・・・
熱いな~と思ったけど、ドンドン行け!
と後押ししたくなるほどのスタンドプレーが良い
切れ者の部下(堺雅人)が素晴らしいく良い演技を
見せる、鋭い目つきは言葉にしなくても物語っている
目で演技出来る素晴らしい役者でした
映画全体を見ると日航機墜落事故はきっかけに過ぎ
なく本質は自分の仕事に誇りを持つ男とのらりくらり
と美味しい蜜を吸う上層部との戦いですね
ぶつかり合ううちに新聞記者としての何かが目覚める
みたいな話しでした
堤真一は柳沢慎吾に似てるなぁ~と昔から思っていま
したが、最近の演技には迫力が増してとても良い役者
になったと思う、ああいう上司の元で働きたいかも?!
全88件中、61~80件目を表示