「話題だったので、見ました。」靖国 YASUKUNI waveverさんの映画レビュー(感想・評価)
話題だったので、見ました。
もともと日本のこと、特に歴史のことを知らなすぎるので、
話題だったですし、少しは勉強にもなるかなと思って見に行きました。
見る前はきっと客観的な視点で作ったドキュメンタリーなのだろうなと思ってました。実際見てみて、私の感想としては、映像は客観的とは言えず、ドキュメンタリーとしても正直に言うとつまらなかったです。
興味深いなと思った点もほぼ無かったと思います。
やっぱりあまりに作り手の思想だとか情報操作みたいな仕掛けがありすぎるので、映像として客観性に欠けているのがドキュメンタリーとしてどうなのかな?と思いました。
まあ、ドキュメンタリーだからといって、作者の考えや思想が入ってはいけないということはないけど。
作者の思想だとかを言葉ではあえて言わずに、構成などでコントロールしている感じが、ちょっとあざといなと感じました。
最初の右翼をたくさん出して傍観的に映しておいて、反日の台湾の人とか締め出された少年とかを映して、見る人に感情移入させて、盛り上げようとする感じとか。
普通に生活している人からすれば、あの少年は被害者で、締め出した人が悪者になるだろうし。そういう構図を利用し、思想に置き換えつつ、左的な人は被害者で右的な人が加害者っていう印象を見る人に植え付けようとしてそう。
もし、本当にあの少年が怪我をさせられたなら、かわいそうではあるけれど、それとあの少年のやっていることが正しいのとでは、まったく別の問題。
あの少年を見ても、浅はかでわざと被害者になろうとして乗り込んだと思われてもおかしくない。
締め出していたおじさんも普通に嫌な人って感じですけど。相当関わりたくないなって感じの人達です。
まあ、その人達は別にいいと思います。なんか良くいそうですし。
ただ、そういった人達、台湾の人も含め、なぜその人達をあえて選んでそういう映像を感情的になるような構成で入れたのか。
その辺に作り手のわざとらしさを感じ、疑問が湧きました。
また一番象徴的なのは、最後に深刻ぶった音楽とともに映される、刀を持った日本兵?の残虐な写真のスライドがずっと続くところ。
日本刀を作っているおじいちゃんがいて、日本刀を持った人たちが映って、
日本刀での残虐シーンを深刻そうな音楽と共に入れれば、
日本刀を残虐な日本兵による戦争の象徴のように思えてしまいます。
私のようなまったく左とか右?みたいなこととは無縁な人間から見ても、
明らかに左というのか反日の人が作ったあざとく操作された、ドキュメンタリーという名目の映像でしかないなと思ってしまいました。言葉ではっきりとは言わないところがまたいやらしいなと思います。そりゃはっきりとは言わないだろうけど。
ただ客観的なドキュメンタリーを期待して、知らない事を知りたいと思って見に行ったので、まったくの期待はずれでした。
表現の自由という観点からすると、別にどんな思想があろうと自由ですから作ることも上映することもいいのではと思いますが、
見る人は、この映画は、あざとく操作された反日、左翼的な映像だと知っていかないとちょっとお金を損した気分になるかもしれません。
ただ映画好きのドキュメンタリーが結構好きという私のような人が見ても、
特に貴重な映像を見られるわけでもなく、
ちょっとしたニュース番組や歴史番組を作り手の思想に任せて、
コラージュした程度の映像という印象で、
正直ドキュメンタリーとしてクオリティーは低いと感じました。
というより、これってドキュメンタリーと言っていいのかという疑問も湧きました。
スタイルとしてのドキュメンタリーでしかない。
思想にドキュメンタリーを利用された感も否めません。
なんか靖国神社とか刀つくっているおじいちゃんとかの、
著作権?かなんかの問題もあるようですが、
私からしたらどうでもいいので(あのおじいちゃんはかわいそう、、、)、
単純にこの映像の感想を書いてみました。
話題につられた自分がいけないのですが、やっぱり世の中の日常に潜む情報操作の怖さというのを感じました。
そういった意味では、しっかりと自分で少しでも考えないといけないなと改めて思わせてくれる映像ではあると言えます。