劇場公開日 2008年7月26日

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「ネチコマ!」ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ネチコマ!

2020年1月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 1967年の松竹映画『宇宙大怪獣ギララ』へのオマージュ。低予算なりにCGを使わずギララの造型や格闘シーンに特撮技術が映えているのですが、いかんせんテンポの悪さ、脚本の悪さが災いしてるように思える。

 洞爺湖サミットの開催時期に合わせて作ったことは評価できるものの、各国首脳の風刺だとか、サミットそのものへの風刺はパンチ力を欠き、最も辛辣な情報操作などを東京スポーツの記者(加藤夏希、加藤和樹)に直接喋らせているのが残念でならない。環境問題が重要なテーマであるサミットだけに、アメリカ大統領への皮肉が全くないこともいただけないのだ。そんな政治的な風刺を楽しもうと思っていたけど、、今日のニュース「ブッシュ大統領が竹島問題に介入」が強烈すぎたため、日本首脳・伊部首相の弱腰外交がさらに痛く感じられた。

 さすがにそれぞれの国の思惑は控えめであるけど、各国の日本に対する考え方や国民性などをおちょくった部分は面白い。ただ、同じ河崎実監督の『日本以外全部沈没』でも感じたことに、北方領土問題とか北の問題なんかは風刺というより監督自身の主張に過ぎず、笑うに笑えないのです。ザ・ニュースペーパーの大泉元首相の発言なんてのもドキリとはさせられるが、どんでん返しによって引いてしまうし・・・むしろ、どんでん返しの無いほうが面白いのに。

 どうしようもない映画のようですが、これでもヴェネチア国際映画祭の公式招待作品となっています。まさかビートたけし効果?と、ビートたけしが『大日本人』の松本人志のように大暴れするかと思っていたら、スーツアクターに徹していたのでしょうか・・・素顔が見えないのでわかりません。声だけは本物っぽかったです。

 なんだかんだ言っても河崎実監督の努力や熱意は買いたい。それに東京スポーツの編集長(井上純一)の演技が熱入ってるし、タケ魔人を崇拝する村人たちの踊りが真面目すぎるので涙が出てくるほど。それにウルトラマンのハヤタ隊員(黒部進)やウルトラセブンのアマギ隊員(古谷敏:ウルトラマンの中の人でもある)も出ずっぱりなので嬉しくなってくる。ゲストの水野晴郎だって・・・シベ超のTシャツ着てたし。

〈2007年7月映画館にて〉

kossy