「素晴らしかった」トイ・ストーリー3 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしかった
公開時にあまりに評判がよくて前作を見たことがない人も楽しめると言うので見に行ったら涙腺は刺激されるもののあまり面白くなかった。今回は1作目から順番に見ているので、登場人物への馴染みがあり、すごくグッとくる。アンディが大人になっていることで、嬉しさと切なさがないまぜになった複雑な感情を掻き立てられてたまらない。
アンディはウッディのことを「こいつは最後まで仲間を見捨てない」といって、涙が出るのだけど、前からそんなやつだったっけ?とも思う。メンバー全員で脱出したり助かろうとするところが泣ける。
バービーの男版のやつが面白い。
娘が熱を出して保育園を休んだので一緒に見る。焼却炉でみんなが諦めて手をつなぎ合っている場面で、娘が背中から抱き着いて来たのでますます泣けた。娘はピンクのクマを、ピンクだからという理由で好きになって、途中でトラックの装飾にされて出なくなってから「クマちゃんは?」と気にしていた。「あいつは悪いやつだからもう出ないよ」とも言えないので困った。
遊ばなくなったオモチャをどうするかというテーマで、実際オレは子どもが遊ばなくなったオモチャをこっそり捨てている。うちはオモチャをくれる人がいるのだけど、けっこうボロボロの状態であるため、子どもも全然大事に遊ばない。飽きたらずっと放置で、そんなのが溜まりに溜まる。置き場所がなくなる前にバンバン捨てるのだ。子どもも思い返すことがないようでこれまでクレームが一度もない。うちの中がそれほど汚くないのはオレが捨てているからであるとも言える。マクドナルドのハッピーセットのおまけなど、粗末なオモチャは新品であってもゴミに見える。おもちゃ売り場は値段のついたゴミが並べてあるようにしか見えない。そんなオレの気持ちに水を浴びせるような映画だった。