「歌詞は放送禁止用語連発のお下劣ですが、音楽はノリノリのイカスもの。サービス精神満点のムービー」テネイシャスD 運命のピックをさがせ! 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)
歌詞は放送禁止用語連発のお下劣ですが、音楽はノリノリのイカスもの。サービス精神満点のムービー
いろいろな映画の要素をてんこ盛りにしたロック&コメディ映画です。ロックのことは詳しくなくても、エンディング終了後までギャグがぎっしり!(ここが一番笑えた!)とても楽しめました。
ジャック・ブラックは、ロックユニットをやっているだけに、ギャグでおちゃらけていても、決めるところはばしっと決めていて、格好良さも感じさせてくれました。
冒頭の少年JBの家出編は、作品のプロローグとして独立していて、これが全編ロックオペラなんです。歌詞は放送禁止用語連発のお下劣ですが、音楽はノリノリのイカスもの。 ここから始まる作品通して、音楽性の高さはロックを聞かない小地蔵でも、いけるなぁと思いました。特に場面と場面のつなぎで流されるバラードには、クグッとハートにくるいい感じの曲ばかりでした。
映画に詳しい人なら随所に見た覚えのあるシーンを見つけるでしょう。ロスにたどり着いたJBがベンチで夜仮眠しているとき、覆面した青年の集団に暴行されるところは、時計仕掛けのオレンジに、そっくり。
だいたい運命のピック探しはインディジョーンズばりだし(^^ゞ、はたまたマジックマッシュルームを喰ったJBがファンタジックな幻覚を見るところでは、チャーリーとチョコレート工場に似ていました。あと二人の運命の出会いは、ちょっとロードオブリングぽいファンタジーのノリ(製作が同じニューラインシネマ)だったし、悪魔伝説から実際に悪魔が登場いるところなんぞ、ホラーぽいノリでありました。
手に汗握るカーチェイスのシーンまであり、もうサービス精神満点!
ギャグの方も、ドタバタでなく、よく計算されたものたもので、意外な展開でついつい笑ってしまうシーンが多かったです。特にKGの正体がバレて禿げ丸出しになるところや、前半前振りで練習してたスライドの滑り込みが後の意外なところで活かされるところ(写真)、局所を膨張させてボタンを押すところなんか笑い転げました。
ただどうせなら、「テネイシャスD」バンドとして、バンド大会で大活躍するところを見せてほしかったです。
あと悪魔弱すぎ(^^ゞ
笑いだけでなく、途中けんか別れになった二人が再会するまでに思い合うところも、友情の深さを感じさせてよかったです。