「草原に暮らす厳しさ」モンゴル Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
草原に暮らす厳しさ
総合:75点
ストーリー: 70
キャスト: 75
演出: 75
ビジュアル: 85
音楽: 75
チンギス・ハーンの話をする以前に、とにかく厳しい時代である。野望と欲望が渦巻き強いものが弱いものを支配する。勝てば人でも物でも略奪し放題の天国、負けて生き残ってしまえば奴隷生活の地獄。現在の価値観が全く通用しないそのような現実が、壮大な大地を背景に繰り広げられていて、当時の草原に暮らす人々の直面している時代背景が良く語られている。残酷だけどこれが草原の掟なのだろう。
そしてやはりこの作品は映像が良い。美しくもありどこまでも続く緑の草原を見せてくれる一方で、荒涼とした山の峰や凍えそうな雪原といった、建物一つのない厳しさを見せる自然の風景の撮影が素晴らしい。衣装やゲルや生活の小物まで細かく作られていた。
物語は時々一気に年数がたっていたりして繋がりが悪くてわかりづらい。テムジンの歴史物語として全体を見るというよりも、彼の辛酸の歴史の部分部分を楽しんだりするものだと割り切ったほうがいい。
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