劇場公開日 2009年2月7日

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「先輩!」悲夢 ラジオさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0先輩!

2009年3月17日

悲しい

楽しい

ギドク先輩が、またまたやってくれました。ところで話は逸れますが、「またまた」というのをひっくり返すと「たまたま」となるのですね。ああ、淫猥な響き。まあどうでもいいのだが。

今回は冒頭から実験しておりましたね。日本語と韓国語のチャンポンが、なんの説明もなく淡々と繰り広げられ、この時点で「ああ、ギドク先輩は新たなフィールドへと足を踏み込んだのだな」と思いました。
ギドク先輩のすごいところは、作品ごとに実験を繰り返すにもかかわらず、それが突飛でもなければ奇抜でもなく、作品に必須な要素として成り立ってしまう点です。本作もやはり実験的ですしシュールなのですが、しかしとにかく面白く、論理などサハラ砂漠へ投げ捨てて、感覚人間となり、フィルムに没入してしまう自分を発見することになります。現存の作家で、このような映画を撮れる人間がいるだろうか。いや、いない。
デートムーヴィーとして観るにしても、ゆっくりと腰を落ち着けじっくりしっかり観るにしても、とにかくどんな状況に自分が陥っていたとて、感動するし面白いです。これぞ映画です。

分かりきった映画なぞ、誰が見たいと思うだろうか。

ラジオ