「ルコントさん、引退しないで!」ぼくの大切なともだち あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)
ルコントさん、引退しないで!
大ファンなパトリス・ルコントの最新作にして、これが長編映画の引退作だとか。。。惜しすぎます。
ルコントさんお得意の深淵な90分ストーリーテリング術はご健在。そしてそこで扱われるテーマは「友情」です。
主人公の男は、人生のすべてを「お金」という価値で測ってきた商人。そんな彼自身は自分には「ともだち」が沢山いると思いこんでいるが、事実は相反するものである。そして、仕事仲間の同性愛者の女性と「一週間以内に親友と呼べる人を紹介する」という駆けをします。(この同性愛者というところがルコントらしい老獪なしかけになってます。)
この作品の素晴らしい所は、「お金で友情は買えない」という古代から続くまことしなやかなメッセージをそのまま伝えないところ。というのも、この映画の「友情」にはその「お金」がなければ成立しなかったのですから。
(すこしテーマを拡げると、「マネー経済」化した今の世の中では、古くから続く知恵ですらもその姿を変えつつあるということなのでしょう。)
友情に一番大切なものは・・・?
それは「お金」でないことは確かですが、その「お金」ですらも手段になりえるということなのでしょう。
さすがルコント、深いです。
また見直します。
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