劇場公開日 2009年1月17日

「本作は今こそ沢山の人に観られるべきです テレビで放映すべきです」感染列島 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5本作は今こそ沢山の人に観られるべきです テレビで放映すべきです

2020年2月28日
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鑑賞方法:DVD/BD

現在2020年2月28日です

新型コロナウイルスの猛威はついに、総理大臣が全国の学校の臨時休校を要請するに至りました
ディズニーランドもUSJも休園するとの事です

正に本作の前半に描かれている経過を辿りつつあるのです

怖いです
身をよじるほどに怖い映画でした

ただ後半はセンチメンタルを優先する脚本に転換され、一気にリアリティを失ってしまっているのは残念でなりません

2009年5月、新型インフルエンザは日本をパニックに陥れました
しかし本作は同年1月の公開なのです
見事に未来を先取りしていたのです
その時には幸い新型インフルエンザは対策が有効だったというより夏になり自然に終息してくれたのです
ですから、本作は大衆を無闇に怖がらせる大袈裟な映画だと見なされたように思います

そして時は流れ2020年、この新型コロナウイルスが突如猛威をふるい始めました
この映画が描いたことは、大袈裟では無い、実際に起こることなのだと証明してしまったのです

本作には封鎖された中国武漢で起こったことがそのまま映像になっています
それがいまこれから日本で映画のまま現実になるかの瀬戸際にいま私達は立っています

総理大臣の突然の小中高の学校を臨時休校とする発表はその是非を巡って、英断という声もあれば、突然過ぎるとか、社会が崩壊する、経済がおかしくなるとの非難の声も挙がっています

劇中、檀れいが演じるWHOの係官が、院内感染が広がった市民病院を掌握し、感染者対応の専任従事者を募るシーンがあります

頭ごなしにあれこれ、厳しい指示をだすヒロインに病院の医師も看護士も皆反発をしてとても協力してくれそうにない雰囲気です

彼女はこのようにいいます

大変な負担がかかります
家庭がある人は特に大変です
でも、患者を救うためなんです
お願いします!力を貸して下さい!

彼女は深々と頭を下げるのです

私達は、その声に続いて手を上げた看護士や医師達のように、この新型コロナウイルスに全国民が手を上げて共に戦うべきではないのでしょうか

仕事をかかえたシングルマザーはどうしたらよいのか
経済が、社会が崩壊すると反対する知事や市長までいます
様々な問題があるのは確かです

しかしこの映画の世界を現実化させる方がはるかに恐ろしい事になるのです

本作は今こそ沢山の人に観られるべきです
テレビで放映すべきです
こうなってはいけない
そのイメージを共有すべきなのです

あき240