痛いほどきみが好きなのにのレビュー・感想・評価
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好みの違いで感情移入できなかったけれど
イーサンホーク自身の若き日の恋愛の想い出を、
今だから辿ることができるようになった自伝的作品
だそうです。
ニューヨークでウィリアムはサラに出会い、恋する。
彼は役者、彼女は歌手。
一度は結婚まで考えてくれた程なのに、
自己の自立の為に距離を置こうとする彼女。
そうされればされるほど彼女への想いが募るウィリアム。
恋愛の持つ狂おしい気持ちをマーク・ウェバーが熱演。
自分の愛情がストレートに伝わらない時の
若者が持つ熱烈な感情の起伏を、とても繊細な演技で表現していた。
サラにはカタリーナ・サンディノ・モレノが扮していたのですが、
彼女の魅力で、私も、ウィリアムと同じような気持ちにさせられたら、
感情移入出来て、この作品の痛いほどの気持ちが
私にもわかるのにと、残念に思いました。
テイストは好きだったし、上手い役者が揃っていたのに
女性の好みのせいで、評価は2ランクダウンというところです。
(+、-もワンランクと数えて)
この理屈では量り切れない感じが恋愛感情そのもの!
<ストーリー>
ウィリアムスはバーでヒスパニック系の女性、サラと出会う。でたらめなジョークで話しかける彼に、彼女はそっと微笑みかけるだけ。しかし次第に打ち解け、再びジョークを交えながらもいろいろな話をしながら、彼女を家まで送り届けると、それは彼のアパートの向かい。彼女は友人の家に泊まっているのだという。その偶然のせいか、そのアパートの階段で二人は・・・
自身の家を探していた彼女は、見つかるまで彼の家に泊まるという。ただしセックスなしという条件で・・・
<個人的戯言>
【♪レ~ジ~メ~♪】
気の利いたジョークと、言葉の遊びを介してかけ引きを楽しむかのように接近し、そしてふいに切実な思いを不器用にぶつけてしまう。理屈では説明しようのない、それでいて感覚的にわかる気もする、不可解な恋愛感情を、ノラ・ジョーンズに曲を提供してきたソング・ライターの音楽に乗せて、スマートに、そしてリアルに綴られていきます。
【ぐだぐだ独り言詳細】
「そして、ひと粒のひかり」のカタリーナ・サンディノ・モレノが出ていたので鑑賞しましたが、言葉にして説明すると陳腐になってしまいます。でも恋愛の感情の過程でありそうな
・気を引くための軽めのジョークを交えた会話
・お互いの気持ちを確認するための、交わされる言葉の中にある、ある種のかけ引き
・感情が抑えきれなくなり、普通に見れば奇行にさえ思える、理屈では説明しきれない行動や言動
というものが、まるで主人公二人の恋愛のドキュメンタリーを見ているように、進行していきます。
・二人の気持ちが急接近したように見えても、
・心の中では完全に相手の気持ちの全てを把握できずに、
・ふとしたきっかけでその不安が爆発し、自分も相手も傷つけてしまう、
というようなこと。明らかに理屈で考えれば、理解し難く、不可思議なことを恋愛中ってしてしまうものだというのが、
主人公二人の行動が意味不明でも、感覚的にわかるような感じを持ってしまいます。
そしてこの「感覚的」に理解するのに大きな力を貸してくれるのが、全編に流れる、70年代のシンガー・ソング・ライターを思わすような音楽。これがノラ・ジョーンズに曲を提供していることで知られるジェシー・ハリスによるものです。
台詞の全編に散りばめられたジョークとおしゃれな会話、それに対比される切実な思いが弾けてしまう瞬間。
それに合わせれるように、音楽も爽やかなカントリー風味から、内省的な心情を歌うような曲まで、常に映画の中に音楽があって、
心地よく、そして素朴に、その場面場面をバックアップしています。個人的には、カタリーナ・サンディノ・モレノの歌声が聴けるのも特典でした。
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