劇場公開日 2008年3月22日

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「もっと異常犯罪を専門家らしく分析してほしい」88ミニッツ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5もっと異常犯罪を専門家らしく分析してほしい

2013年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

総合:70点
ストーリー:60
キャスト:75
演出:75
ビジュアル:70
音楽:70

 かなりネタバレしていますので、作品を見たことがない人は注意してください。

 一応最後まで誰が犯人であるのかわからなかったし、見ていてどうなるのかハラハラした。しかし最初のほうで一番怪しいと思った人が結局犯人だったので、まあこんなものかなという感じ。何故ならその人はいきなり襲われたとか言っておきながら、襲った犯人もそれを示す証拠が何一つ見つからなかった。あの状況で一人でそのような狂言芝居をするにはうってつけであり、しかも教授に近い距離で自由に「残り何分」とあちこちに書ける立場にあったから。
 でも物語はつっこみどころが多い。女一人でどうやって次々にあれだけの犯罪をしたのか。爆弾なんてどうやって調達したのだろう。犯罪の仕掛けを考えるのは簡単でも、計画通りの実行となればいきなり困難になるものだ。ましてこれだけ多数の人間をたった一人で騙し操り脅し殺しということになれば、どこかでほころびがでるはず。人の家に潜入し縛って吊し上げ拷問し殺すのを確実に成功させるなんて、計画するのと実際に行うのは大違いでしょう。短期間に秘書や助手を拘束し脅し操るのも困難。一つでも間違えば計画が破綻するような綱渡り的な犯罪計画に無理がある。そもそもフォスターはどうやってダグラスを洗脳したのか、それが何一つ描写されていない。教授のまわりに起こる怪現象と脅迫の緊張感は演技も含めて楽しめたからよしとするが、たいした脚本だったとは思えない。
 それから異常犯罪分析医という肩書なのだから、「羊たちの沈黙」のプロファイリングのようなもう少しそれらしい分析についての専門的なやり方を取り入れたりする場面を期待していた。しかしそういうことがほぼ何も出てこなくて、ただの主人公の肩書に収まってしまっているのも期待外れだった。これでは刑務所に入ったままいろんな人を操った犯罪者のほうがよほど頭が良さそうに見える。

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Cape God