ヘブンズ・ドアのレビュー・感想・評価
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ツッコミどころは満載だけど…
長瀬智也がとにかくめちゃくちゃかっこいいし、福田麻由子も素晴らしい。
深く考えず、心をフラットにして観ると◎
エンディングもよかった。
余命わずかと宣告された28歳の勝人は、病院で幼い頃から入院生活を続...
余命わずかと宣告された28歳の勝人は、病院で幼い頃から入院生活を続けている14歳の少女、春海と出会う。「死ぬ前に海を見たい」という春海を連れ、勝人は病院を抜け出し海を目指すが、盗んだ車には謎の大金が積まれていて、怪しい組織や警察から追われる身に……。
好き好きの問題ですが。
既読のものはどうしようもないが、
私は映画を観る前に「原作」は読まないようにしている。
時間がないのもあるが、たぶん、おそらく、私の性格からして
「それはそれ。これはこれ。」的な観方が出来ないからだ…。
原作には叶わない。というのが大勢を占める読者の感想は
「映画と原作は別モンよ。」の意識を遠ざけてしまう気がする。
で、それと似たような感覚で「リメイク作品」がある。
これもまた、前作の出来があまりに鮮烈だと、そっちが勝つ。
「アレとは比べもんにならないよ。」と言ってしまうのも分かる。
監督オリジナルで書き変えてしまえばまた違う印象にもなるが、
それはそれで、今度は原作・原版ファンの反感を買う。
だから、知らないに越したことはないのだろうが…
(いや、そうではなくて観比べる楽しみを知ればいいのだ)
今作の原版は、ドイツ映画で…私は既に観てしまっていた^^;
いや、観ていてもぜんぜん問題はないのだが、
自分にとって、とっても印象深い大好きな映画となっている。
だから今作は(もちろん悪くはないが)なんか違う。。
キャストを変えて、雰囲気を変えて、頑張ってはいるが、
(ならばもう少し脚本を変えても良さそうなものの)
これまた忠実にリメイクに徹している。アリアスさん、エライ。
だけどやっぱりあのテンポは出ていないし、リズム感がない。
長瀬も麻由子も頑張ってはいるが、う~ん…という感じだった。
死を間近にした二人の若者(今作では青年と少女)が
海を見るまでの逃避行、ロードムービーなので景色がイイ♪
様々な体験を(というより危ない)して、難問をかわしながら、
最期は海まで…辿りつけるのかどうか。ラストは素晴らしい。
ふと思ったのだけど、なんで死を迎えるのは山ではなくて、
海が多いんだろう?山中だと、雰囲気が出ないんだろうか^^;
(両方観ると違いが楽しめるかも。T・シュヴァイガーの出世作。)
有り得ない・・・
この映画はオリジナルとは似て非なるものです。
だいたいこのストーリー自体日本の湿度、質感、宗教観、倫理観的に絶対に有り得ないものです。ファンタジーにもなっていないし。
この映画に欠かせない要素はヨーロッパの「一週間もいたら20代でもすぐに皺が出来てしまうドライな気候」「内陸にに住んでいたら海を見たことがない人がゴロゴロいる大陸」「ちょっと敬虔とは言いがたいけど皆が肌で馴染んでいるキリスト教の思想」です。
オリジナルはヨーロッパの気候がこの映画のドライ感と重なって、一つ間違えばジメジメしてしまいがちな設定をポップな魅力に変えています。
でもこの日本版は日本の湿度そのままにジメジメでまるで失敗しちゃったてんぷらのようでした。
喰えたものじゃない・・・
そして何よりの失敗は、制作側がこの映画のオリジナルの良い所を全く理解していなかったのではないかと思われるところです。
この映画は海へ行く道=天国の門への道なんです。
「ちょっと敬虔とは言いがたいけど皆が肌で馴染んでいるキリスト教の思想」があるからです。
ですからオリジナルではあんなに銃を発砲しても誰も殺さないし、死にません。
そして誰も損をしないんですよ。
でないとあの二人が天国の門をくぐれないからです。
だからガソリンスタンドにも銀行にもお金を返しているし、残りのお金はほとんど人にプレゼントをしたり、寄付をしたりしてるんです。
欧米では成功者は必ず多額の寄付をしますが、これは皆どこかに天国への門をくぐりたい、それには施しをして善行を積みたいという気持ちがあるからでとても一般的です。
これは日本にはない宗教観というか思想なんです。
ですから日本は国単位では多額の援助をしますが災害時以外、普通の時に多額の寄付を普通にすることは、個人ではなかなかありません。
ラストにギャングのボスが黙って2人をそのまま海に行かせるのもそういう意味合いです。『天国へ行こうとしている者たち』を止めたり殺したりしたら、ボスは天国に行けないじゃないし、お金も寄付して善行を積んだと思えばなんてことはないんです。
自分も天国の門をくぐりたいですからね。
お金は使われてしまったけれど、そういう意味で彼も損はしないんです。
そして海にたどり着けた=天国の門にたどり着けたということなるんです。
なのに日本版では人が死んじゃってるし、お金返してないし、これじゃあ、ただ人に迷惑をかけるだけかけて、ただ本当に海を見に行っただけじゃないですか。
しかもこんなの日本の倫理観では有り得ないし・・・
もちろん日本は島国なので「海を見たことがない人」となると、特殊な設定になってしまうのは判ります。
でもオリジナルのキャラクターをなぞるような配役だったのですから、ここは女の子に逃げないでチャーミングな男性を持ってくるべきでした。
でないと、「誘拐は嘘」でも子供を連れまわすとなるとそれは法律的にもりっぱな犯罪だし、人としてもどうかと。
だからオリジナルでは大人の男性なんですよ。
だって「誘拐が狂言」なら大人同士なんの問題もないですもん。
ストーリー以外の演出も安っぽいし、
出演者の方が気の毒になる場面もありました。
2時間ドラマでもきついです。
どこをどうしたら良かったというよりも
作らなければ良かったんじゃないかと思える一本です。
福田麻由子の存在感が救い
松本大洋のコミックを映画化した「鉄コン筋クリート」で高評価を受けたマイケル・アリアス監督だけあって、初の実写映画ではあるが、美しい構図や映像には見所がある。ただ、肝心の脚本にリアリティがなく、描くべきシーンを省いて物語が進んでいってしまうため、物語の中に入っていくことが出来なかった。
また、いくら主人公の2人が死を目前にしているからといって、彼らが巻き起こす迷惑行為と、それを100%正当化してしまう演出もいかがなものか。あれでは観客が登場人物に感情移入できないのではないと思う。オリジナル版はもっとポップで、それでいてキャラクターにちゃんと感情移入できたのだけれども。。
それから演技の面で言えば、長瀬はやはり大味。「タイガー&ドラゴン」みたいな作品では彼の演技もマッチするが、本作のように繊細な表現を求められる作品では、通り一遍等の彼の演技では厳しい気がした。その一方で、福田麻由子の存在感は素晴らしく、彼女のシーンだけ「映画」になっていると思えた。それが救い。結果的に、制作者の甘えが透けて見える雰囲気重視の映画に仕上がってしまった気がしてならない。
迷惑行為が無ければ・・・。
勝人と春海の迷惑行為が最悪で,
二人の行動に共感できなかった。
余命僅かだからって許されない・・・。
犯罪を省いて,純粋なロードムービーにしてほしかった。
それでも,良いと思えたシーンが幾つか。
・あざとさの無い世界観
・コミュニケーション下手の現代人の悲哀
・浄化の象徴としても海の雄大さ
あと,ありがちなフリーター設定の勝人よりも,
春海を主人公として見た方が,
ほとんど病院育ちの14歳少女のプチ冒険は応援できるもので,
心情を理解し,映画に入り込めた。
母と子のような関係にまで見えてしまう
精神の成長を表現した福田麻由子が素晴らしかった。
今作に占める彼女の魅力は大きい。
この二人もいい
最初は、オリジナル通り、やっぱ男2人のロードムービーがいいって思ってたけど、見てるうちに、このコンビもありかも?って思えてくる映画です。感動って言うよりは、余命3日だし、何でもあり!って感じで楽しめます。
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