「薄く人間の怖さを感じる」歩いても 歩いても 宜山風さんの映画レビュー(感想・評価)
薄く人間の怖さを感じる
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長男の命日に集まる家族。
よくある家族のやりとりで、音楽も穏やかなのに時折悪意のようなものを感じて怖くなる瞬間がある。
家族の嫁への発言や、長男が命がけで助けた人間への発言。
たしかに、自分の子供が死んで他人の息子が助かったのが許せないのはわかるが、軽く「あいつが死ねばよかった」や「他人なんて命がけで助ける必要ないのに」と言っているシーンがあり怖かった。
何より、毎年その助かった人を命日に呼ぶことを主人公が「もう止めないか?彼も辛そうだ」と言ったのに対して母親が「だからよ。十年そこらで許されると思わないでほしいわ」と言っていてゾッとした。
最後に、母親がお嫁さんの手を握って話をしたことに父親が「勘違いしたらどうするんだ」と2人きりになってから咎めると、母親は楽しそうに「あら、いいんですよ。それくらいで勘違いしてくれるなら、幾らでも握りますよ」と言っていて何だか怖くなった。
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