「日常にひそむ家族のタブー」歩いても 歩いても arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
日常にひそむ家族のタブー
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夏の終わりの海の近くの祖父母の家。
お盆は終わり、どうやら一家の長男の命日に集まった様子の長女一家と次男の一家。
ありふれたやりとりに中に家族の事情が浮き上がる。
長女は両親との同居を考えており、次男は嫁は子連れの再婚。長男は溺れた子どもを助けるために命を落としたこと。
家族には近いからこそ普段はあえて触れないタブーがある。
そうして日常の、家族の平和を保っている。
でも今日は長男の命日。
母親はあえてそのタブーを侵す。
しかし、一瞬凍りついた空気を再び元へ戻すことも彼女には出来る。
そうして平和を取り戻す。
ああ、これが家族だなぁとしみじみ思う。
「忘れてもらっちゃ困るのよ」
この一言のセリフの重さ、凄さ。
つくづく樹木希林という俳優の凄さを思い知りました。
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