「家族の肖像」歩いても 歩いても momogaria-noさんの映画レビュー(感想・評価)
家族の肖像
絵に描いたような、家族の記録。
輪の中に入る本人たちは、いつも和やかで暖かい表情を見せなくてはいけない。
似すぎた親子ほど、情けないくらい喧嘩してしまう。
家族ほど、厄介な関係はないのだ。
お互いが期待し、お互いが裏切り、いつも自分が正しいと思う。
それでも、いつも平和であるかのようにつくろう。
家族という重たい十字架は、時に、溺れた誰か救い出そうとする。
息子を早くになくした母の憎しみ。
目が不自由になり病院を閉めて隠居になった父の悲しみ。
悔しいけど、家族というのは、自分が飾らずにいられる唯一の場所なのだ。
温かい家族の団欒の狭間で、それぞれの痛みが余計際立ってみえる。
見た人は家族について考えざるおえない、切ない魂のこもった映画。
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