「家族版スタンドバイミー」歩いても 歩いても ll7さんの映画レビュー(感想・評価)
家族版スタンドバイミー
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亡くなった人間を想う気持ちの度合いは人それぞれだ
海よりもまだ深くでは男が過去の未練を残し、女が前に進む傾向を描かれているが
この映画では、女が亡くなった人を強く想い、男はそれに疑問を持つ
息子はウサギの死や父親の死を気にせず、それでも心に留め生きて行こうとする
人生においての生き方の整理が一番ついているのは息子だと感じた。
この映画では紛れもなく樹木希林がキーパーソンだ。
夏川結衣との会話シーンでは、女の持つ心の闇が画面いっぱいに映し出される
樹木希林は血の繋がった家族にこだわり、広告店の男に憎しみを持つ事に意味を持たせている。
息子の実の父親と、主人公の兄は映し出されないが、劇中幾度となく登場人物の言葉で語られ、彼らの中に存在していることに気づかされる。
日常にありそうな会話の数々が、映画ならではの重みと共に自分の人生にのしかかる。
是枝監督の映画は、常に観ている側に問いかけてくる。
また配役は海よりもまだ深くと似ている部分が多いが、どちらも重みは違えど本気で家族というものを描いている。
また、子役が毎回違う俳優を使い、どれも演技とは思えない実在感があるのだが、祖母役を樹木希林に頼りまくるのもまた面白い作家性といえる笑
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